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2022年度下期『Best Project賞』 受賞インタビュー(宮津市 クロスワークセンターMIYAZUチーム)

FoundingBaseでは半期に一度、全社メンバーが一同に集う合宿を開催しています。
2022年度下半期合宿が先日行われ、「自由」のUpdateにつながるProjectを推進したチームに贈られる賞として、Best Project 賞の授賞式を行いました。

2022年度下半期の Best Project 賞を獲得したのは「宮津市 クロスワークセンターMIYAZUチーム」。
クロスワークセンターMIYAZUは、京都府宮津市の施設を用いてシェアオフィス&コワーキングスペースとして昨年5月にオープン。関係人口創出拠点=地域住民・地域事業者・学生・都市部人材の交流拠点の場としてスタートしました。
クロスワークセンターMIYAZUチームは、『「居場所」と「出番」を創り出し、共創の出発点を提供する』の施設コンセプトのもとで、計113回のイベント開催、7回のツアー実施、年間3,800人の来場を集め、結果として宮津の地域の方々との協働・共創を実現したことが評価されました。
今回は、昨年度のクロスワークセンターの業務を推進した筒井さんと吉崎さんに、取り組み内容や苦労、今後の抱負を伺いました。

◾️宮津市 クロスワークセンターMIYAZUについて

◾️インタビュワー:石井(スペース&ツアー事業 Manager)

「クロスワークセンターの現在は、地域や行政の方々の協力・共創があってこそ」

【石井】
まずは、Best Project 賞の受賞本当におめでとうございます!あらためて受賞された感想を聞かせてください。

【筒井】
よろしくお願いします。すごく嬉しかったです。ただ、自分自身がプロジェクトを進める上で悩んでいた時期もあり、たくさんの方に相談に乗っていただき、助けていただきました。
最終的に結果を残すことができ、関わってくれた方々から「おめでとう」と言ってもらえたことが、本当に嬉しかったです。一方で、現状にとどまらず、次のステップへ進むプレッシャーを感じています。

【吉崎】
一年間でこのような成果を出せたのは、自分たちの取り組みはもちろんですが、地域の方々や行政の方々の温かい協力があってこそできたことであり、本当に感謝しています。
そのような地域の方々との共創のなかで、やりがいを感じながら、楽しく、様々なことに取り組ませていただきました。
ただ、私も受賞した時に喜びとともにプレッシャーも感じましたね。FoundingBaseが目指すまちづくりのあり方、関係人口の取り組みについて、クロスワークセンターとしてどうモデルをつくっていくのか。チャレンジしていかなければいけないなと。

クロスワークセンターMIYAZU外観

『「居場所」と「出番」を創出し、共創の出発点を提供する。』

【石井】
改めて、クロスワークセンターがどんな場所なのか教えていただけますか?

【筒井】
クロスワークセンターは、当初移住や定住に繋がるような関係を作る場所であると決まっていたものの、移住者や定住者を増やすための具体的な施策は決まっていませんでした。
そこで我々が考えたことは、まず、定住している人たちが、自分のまちを好きで、ワクワクできて、ここに住んでよかった!誇りに思ってもらえるような事業を行うこと。まちの中に熱を持たせることで、外部から宮津に来た人が、このまち面白そう!って思うことが、結果として移住に繋がるのではないかと。
この方針を表現したのが、『「居場所」と「出番」を創出し、共創の出発点を提供する。』という施設コンセプト。シェアスペース&コワーキングスペースの提供や、様々なイベント・ツアーの実施を通じて居場所をつくり、さらにチャレンジするための出番をつくるということを、チームで進めています。

『相手を理解し、自身について伝え、関係性を築く。「協働し、共創する」』

【石井】
そのコンセプトのもと、昨年5月のオープンから1年弱で、イベントを113回、ツアーを7回実施、その結果、施設の総利用者数は3,852名に上り、ツアー参加者のうち宮津移住を決める方が出るなど、多くの実績が生まれました。
地域内外の様々な方と関わりながら、物事を共に創り進めた、FoundingBaseのVALUEである「協働し、共創する」をまさに体現した1年間だったのかなと思います。まちに移住してすぐに協働・共創の関係をつくることは難しいことだと思うのですが、意識されていたことなどありますか?

【吉崎】
すごく基本的なコミュニケーションが大事だなって思っています。
施設に来館された人、イベントに参加された人、一人一人とコミュニケーションを重ねることで関係性を築くこと、その積み重ねでした。その対話の中で、相手が何をしたいとか、どういうふうに思っているのかなどを聞き、一方で、FoundingBaseとして宮津にいる目的、役割や自分の気持ちも伝えていく。そういうお互いにオープンな関係性を築くっていうのは意識していました。

一人一人とのコミュニケーションを重ねて、関係性を拡げていきました

【石井】
確かに。まちに変化を起こしたり、何か新しいことを進めるために、まちに移り住み、業務を進める我々としては、ただ同じ目線に立って関係性を築くだけではなく、会社と自分の目指すものを示すスタンスも大事ですよね。
筒井さんはどうですか?「協働し、共創する」を進める上で大事なこと。

【筒井】
そうですね、私たちが取り組んでいる関係人口事業は、まちに住んでいる人と外部の人の両者と接するのですが、どちらにも寄り過ぎてはいけないのかなと思います。
どちらの立場にも寄り添い、地域内外の価値観を理解し、通訳して、お互いにとってメリットがある部分を探すことが大切。こういうコミュニティマネージャーのような役割を担うことが、移住者として現地にいる立場として大事なのかなと思います。

もう一つ、私たちの取組が地域の人々から応援されるためには、まず自分たちがどのようなビジョンを持ち、どのような貢献をしたいと考えているかを伝えることが重要だと思っています。その際には、自分自身と会社の方針双方を織り交ぜながら伝えることで事業を進めるようにしています。
そのためには、会社理解は必須なので、MISSION、VISION、VALUEを自分が納得するまで理解し、自分のことばで話せるようにしていますね。

相手を理解し自身について発信することで、地域における業務を進めてきました

「目の前の一人一人の変化と関係性の連鎖」

【石井】
FoundingBaseの社員として、そして一個人としての思い・考えの双方を大事にしながら、関係性の構築、業務の推進をされているんですね。
これまでやってきたことの結果、まちにおいて何らかの変化、影響があったのかなと思うのですが、お二人が印象的に感じたことを教えてもらえますか?

【吉崎】
まちの変化というとまだまだなんですが、イベントに参加してくれた一人一人の方の変化は大きかったのかなと思っています。
例えば自習室で勉強していた高校生が、イベントやツアーに参加して「宮津って何もないところだと思っていたけど、こんなにいいところだったんだ!」、「大人ってこういう働き方をしている、かっこいい人もいるんだ」など、進路や仕事の新しい選択肢が出てきたという言葉が聞かれました。
学生だけでなく大人も、今までやらなかったことを挑戦して、新しい人に出会えたり、新たな知識の獲得やチャレンジができたりしていて、一人一人の小さな、確実な変化が積み重なって、大きな変化になっていくのではないかなと感じています。

【筒井】
僕も、まちの変化までは語れないのですが、逆に一人一人の人生は、一年で少しずつでも変わりうるってことに気づきました。目の前の人は自分が変えることができるし、自分自身も変わることができる。宮津に来て学んだことですね。
あと、継続的に関われる場があることは、まちにとってすごく必要なのかなと。
クロスワークセンターに関わり始めて、「宮津にはこんなに自分と同じような若者がいて、こんなに面白い人がいるとは思わなかった!」という話を聞くんです。

【石井】
なるほど。まさに場が地域における交流拠点となっているからこその感想・気づきですね!一方で場があるだけでは、その場所が知られずに、関わってくれる人も増えずにとどまってまうこともあると思うのですが。

【吉崎】
そうですね。関与を単発・単独で終わらせないことは意識していました。イベントの参加者同士を繋げて、コミュニティの仲間とする。そして次のイベントには一緒に来てもらったり、新しい人を連れてきてもらったり。イベントについて、私一人で頑張って発信するのではなく、参加者の人が発信して、その輪が広がっていくイメージですね。

【筒井】
僕も「自分たちだけでやらない」というのが大事だと思います。
我々が一からコトを起こすのではなく、コトが起き続ける状況をつくる方が、何倍もスピードが速く進むと思っていて、
自分たちだけでやるのではなく、地域のアーティストや、地域に広く繋がりを持つ方や影響力を持つ方と一緒に、イベントやツアーを実施していますね。
一方で、地域における新参者としての自分たちが何か物事を一緒にやりたいと言っても受け入れてくれないと思うので、そこは地域の歴史や、相手が何を求めているのかを理解し、学姿勢は自分は楽しく、意識してやっていました。
東京で仕事をしていてはまず出会えないような、老舗のお茶屋の社長さんや由緒正しい神社の宮司さんから「一緒に何かやろうよ」「飲もうよ」と言ってくださったのは、学びに行く姿勢があったからだと思います。

自分たちだけでなく、地域の人と一緒にコトを進めています

「これからのクロスワークセンターについて」

【石井】
宮津市にとって、そして宮津市に関わる人たちにとって、クロスワークセンターの取り組みが非常に価値のあるものだということが、インタビューを通じて、あらためて理解できました。ありがとうございました。最後に、今後の宮津市におけるクロスワークセンターの取り組みの展望について教えてください。

【吉崎】
今年はコンセプトにある「居場所」と「出番」の創出のうち「出番」に注力していきたいですね。地域の人が楽しめるコンテンツや、ツアーなどで地域に関わるひとたちとがクロスワークしていきながら、まちに住む人=定住人口が、まちのモノ・コト・情報発信する生産人口=関係人口へと変わっていく取り組みをさらに進めて行きたいです。

【筒井】
ツアー事業を「点を線にする」ことに今年は取り組もうと思います。
単に、ツアーを実施して終わるのではなく、そのツアーを通して、まちにどのような資産・財産を残せるのか。どう定住人口や我々が運営するスペースであるクロスワークセンターと掛け合わせるのか、チャレンジしていきたいですね。
今年は4月から谷内田と今村もチームに入って合計4名体制になり、できることも増えてきました。その中でも、ふるさと納税の支援と新規事業づくりに取組み、持続可能な地域をつくるために数字で実績で示していきたいです。
あとは、私たち自身も、移住者としてそれぞれが宮津にきたことを幸せに楽しく暮らしていこうと思います!

受賞の感想・今後の展望についてお話しいただきました!

目の前の一人一人とのコミュニケーションを日々積み重ねて、多くのコトを創り、コトを進めてきたクロスワークセンターMIYAZUチーム。
改めてBestProject賞おめでとうございます!!

■ 上半期Best Project賞はこちら

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