【宮城県加美町】中新田高校 生徒インタビューvol.3
はじめに
FoundingBaseの教育事業部・加美拠点メンバーが学校魅力化に携わっている中新田高校(通称「ナカコウ」)。
加美町の事業である夏休みの自習の場「夏の寺子屋」にて、中新田高校の生徒とFoundingBaseメンバーが協働し、特別授業を実施しました。そのプロセスにおける挑戦や自身の変化、キャリアについてなどをお話頂くため、参加した生徒さんにインタビューをしました。
<第一回リンク>
<第二回リンク>
夏の寺子屋とは?
加美町で何年も取り組まれている事業で、小中学生の夏休み中の補助学習の場として実施しております。自主学習と体験学習の2つのコンテンツがあり、FoundingBaseでは昨年度より主に体験学習のコーディネートを通した夏の寺子屋全体のアップデートに取り組んでおります。
体験学習のコーディネートに関わることは、教育事業部のMISSIONである「ひとの成長を生み出し、まちの変化を創る。地域における挑戦機会を最大化。」に大きく寄与するものであり、体験学習内において挑戦機会を創出すること、そしてそれを最大化していくことは、加美町の教育コンセプトである、「探究し続けるまち、加美町」にも通じると考え、力を入れて取り組んだものの一つです。
(寺子屋の詳細記事はこちら)
(今回のインタビュアー)
教師への道
𡈽谷:
本日は中新田高校の生徒インタビューの3番手として、鈴木豹馬(すずきひょうま)さんに来て頂きました!第一志望の大学への合格、おめでとう!
教師になりたいという夢へ一歩近づいたね!
鈴木さん:
ありがとうございます!
𡈽谷:
まず、なぜ学校の先生になりたいのか、聞いてもいいですか?
鈴木さん:
きっかけは自分の中学の社会科の先生でした。先生って堅苦しい仕事だと思っていたし、授業とかをあまり楽しめていなかったんです。
その先生は板書が嫌いでスライドや動画を使う人でした。子どもが興味を持ちそうな授業スタイルで自分にはすごく刺さって。これだったら自分も子どもたちを楽しませることができそう、かっこいいなぁと思ったのがきっかけでした。それからはずっと先生になりたいと思ってます。
中新田高校での思い出
𡈽谷:
将来の事を踏まえて、中新田高校を選択した理由は?
鈴木さん:
最初は別の学校を目指してました。模試の結果を見ると行けそうだったけど、しりごみしてしまって。笑
ただカヌー部に入って全国大会に行ったり、生徒会長もして、いろんな経験ができました。あの時しりごみしてよかったと思ってます。笑
𡈽谷:
ナカコウでの思い出は?
鈴木さん:
ダントツでカヌーですね。部活で高校からはじめて全国大会にいけたということが一番。
地域スポーツとしてのカヌーも印象に残っています。ときどき土曜日にやっているイベントとかに呼ばれてボランティアで参加しました。その中の一つのイベントではカヌーが目玉で、他のお客さんが楽しんでいるのをみて、やっぱりカヌーは中新田(高校)の魅力だと思いました。
𡈽谷:
ナカコウに通ってみて、自分のキャリア選択に関わっている出来事や経験ってある?
鈴木さん:
カヌーに力を入れる高校生活は充実はしていたのですが、実は大学進学に力を入れようと思い、6月には部活の引退を考えていたんです。受験の準備をしようと思って。
顧問の先生に相談した時に「(今)辞めるのはもったいない」と言われました。不安は残ったのですが、全国大会への出場が決まったこともあり、結局10月まで部活を続けました。そこからは進路に切り替え、総合型選抜を受けました。
カヌーを途中で辞めてしまうのはもったいないという気持ちがありましたし、カヌーをやり抜いたことで得られた感覚や、全国大会に出場することができたという結果も残すことができました。カヌーでの経験で自信をつけ志望校にも合格できたので、やると決めたことをやり抜いた結果、全て良い方向にいって本当によかったです。
センセイプロジェクト・学校・生徒会・カヌーの両立
𡈽谷:
ここからセンセイプロジェクトの話をするんだけど、夏前の時期はすごく忙しかったよね。
(センセイプロジェクトとは・・・教師を目指す高校生が、加美町の夏の寺子屋事業において、町内の小中学生に向けて授業を提供したプロジェクトの事)
※「センセイプロジェクト」について触れられている夏の寺子屋についてはこちらをご覧ください。
鈴木さん:
はい。インターハイ前とかで月の半分くらい宮城にいなかったので、部活とセンセイプロジェクトの両立はきつかったです。笑
タイセイ(一緒にセンセイプロジェクトに取り組んだ生徒さん)に任せっきりになってしまったから申し訳ないと思ってました。
𡈽谷:
センセイプロジェクトを経て、変化はあった?前後で。
鈴木さん:
やっぱり、授業をつくるっていう作業の経験が全くなかったので、はじめは地に足つかなかったというか何がなんだかわからなかったですね。(プロジェクトを経て)授業体験ができたことが大きな変化です。
自分は中学校の先生を目指していますが、夏の寺子屋の対象は小学生が中心でした。こちらの想定とは違う反応がきて、思い通りに進まないことに苦戦しましたが、乗り越えることはできたかな。
𡈽谷:
工夫したことや?気をつけたことは?
鈴木さん:
一つは、こどもたちをひとりにしないこと。中学生・高校生は与えられたことに対してひとりでもできるけど、小学生はわからないことを自分で表現できないのではないか、と予想していました。それをいつでも助けるために、注意深く児童の反応を観察するように心掛けました。
𡈽谷:
困っている子がいた時に、その子を取り残さないように行動していたのを特に覚えている。とても素晴らしいと思いました!
鈴木さん:
ありがとうございます。
𡈽谷:
授業において特に意識したことは?
鈴木さん:
リアクションが大きい方が授業の受け手に与えるインパクトが大きいなと思いました。高校の先生を相手に何回も練習したんですが、小さいリアクションだと相手からのリアクションもなかったので・・・。笑
本番でしか読み取れないことがあったなと思います。
𡈽谷:
小学生からの事後アンケートも好評だったよね。
𡈽谷:
このプロジェクトを通して、キャリア選択に影響したことや変化は?
鈴木さん:
最初の自己紹介で「先生」ってつけて紹介したんですが、子どもたちから「ひょうま先生」と呼ばれて、自分が先生なんだと再確認しました。ちょっとうれしいな、やっててよかったなと。
𡈽谷:
5年後は日常になってるかもね!
センセイプロジェクトのこれから
𡈽谷:
今年度はセンセイプロジェクトをやったけど、今後どうしていきたい?
鈴木さん:
教師志望や子どもと関わる仕事を希望している高校生は一定いると思うので、後輩に引き継いでいきたいなと思ってます。授業を作ることを経験してこそ自分に変化も起こると思うので!
𡈽谷:
ぜひ実現しよう!