北海道安平町は新千歳空港から車で約20分で中心地へのアクセスにも優れ、豊富な自然資源にも恵まれた町です。
一方で近隣都市部への転出も多く、2018年には北海道胆振東部地震の影響もあり、人口の社会減少が一層深刻になっていました。

そこでFoundingBaseは、町とともに「日本一の公教育をめざすまち」の実現に向けて、子育て・教育を軸としたまちづくりを推進。施策の実行とともに、その価値を地域内外に発信してきました。

ターゲットを「子育て世帯」、発信テーマを「教育」に特化することで、2022年には前年比3.4倍の51人(前年実績:15人)が移住道内平均0.08%を大きく上回る社会増減率0.2%を達成しました。

本記事では、プロジェクト発足時に抱えていた町の課題や、具体的な取り組みについて詳しくご紹介します。

目的 目的
  • 教育を軸にしたプロモーションを展開し、子育て世帯の転入増加を図る
課題 課題
  • まちの方針を発信するためのコンテンツを作る必要があった
  • まちの方針と関係する事業課の事業を接続し、まちのプロモーションを推進できる人材がいなかった
結果 結果
  • 子育て世帯の移住者数が前年度比3倍以上に伸長
  • 教育フォーラムを主催し、2年連続で300人以上の参加者を獲得
使用した交付金・補助金
  • デジタル田園都市国家構想交付金
  • 地域おこし協力隊

政策推進課の役割

政策推進課では重要施策の総合調整、総合計画の策定、企業誘致、住民協働事業、定住促進など幅広い業務を実施しています。
また移住ツアーを実施するなど、安平町に移住を検討している方への玄関口の役割も担っています。

事業推進における課題

安平町では2017年より「子育て・教育」を町の第一優先政策として掲げ、教育環境の充実に取り組んできました。
しかし、胆振東部地震の発生により社会人口の減少が加速。結果、まちの魅力を発信する計画の策定が一層求められる状況になりました。

この状況を受け、事業推進には以下2点の課題が浮き彫りになりました。

  • 子育て世帯をターゲットにしたプロモーション計画が策定されていなかった
    移住施策には取り組みながらも「子育て・教育」という方向性に沿ったプロモーション計画の策定が行えていませんでした。そのため「誰に」「何を」「どのように」情報発信するのかを設計する必要がありました。
  • プロモーション計画に沿った情報発信を推進する専門人材が不足していた
    計画を立てるだけでなく、実際に情報発信を運用できる人材が不足していました。当時、担当課では公式のSNS運用の実績もなく、ツールに対する知識と継続した情報発信が行える人材の登用が必要となっていました。

これらの課題を解決し、持続可能な移住定住促進の事業を実現するためには、自治体単独ではなくノウハウを持った民間企業を活用したいとのニーズが高まっていました。

FoundingBaseをパートナーに選んだ理由

町内で教育事業を展開する民間事業者から安平町役場を紹介頂いたことがきっかけでした。

町としては「教育を軸にしたまちづくり」の方針を掲げていましたが、民間事業者の観点からは、以下の2つの課題が浮かび上がっていました。

①まちの教育の魅力をどうまとめるか、どう発信するかのプロモーション計画がない
②プロモーション計画の立案から実行までを実施できるプレイヤーがいない

これらの課題に対し、民間事業者が繋がりのある企業に相談したところ、「教育施策と連携したプロモーション実績があり、自治体と共創しながら現場で事業の実行できる企業」としてFoundingBaseを紹介頂きました。

また、町内事業者としても、以下の3点においてFoundingBaseが課題解決に向けた優位性を持っていると評価し、安平町役場をご紹介いただくに至りました。
① プロモーション企画力
② 教育事業の実績
③ 自治体、地域との共創

特に、外部支援にとどまらず「地域に移住し、事業を推進するスタイル」であるからこそ、自治体と住民の双方の観点で事業推進ができる点を評価いただきました。

取り組みと成果

「子育て世代に選ばれるまち」の実現に向け、FoundingBaseではシティプロモーションの計画から実行までを一気通貫で実施しています。

その結果、次の3つの成果をあげました。

① 子育て世帯の移住者数が前年度比3倍以上に伸長

「子育て世代に選ばれるまち」の実現に向け、「日本一の公教育をめざすまち」という方針を町と共創し、その方針に基づいた情報発信の取り組みを推進しました。その結果、「子育て世帯」に向けた「教育」をテーマとした発信内容を明確化したことで、2022年の移住者数は前年比3.4倍の51人(前年実績:15人)を記録。また、社会増減率も0.2%(道内平均:0.08%*)を達成し、人口の社会増に貢献しました。
* 北海道庁ホームページ 北海道人口ビジョン(改訂版)のオープンデータより

② 2年連続300人以上が参加、「あびら教育フォーラム」を主催

町の取り組みを町内外の方に広く知ってもらうためのオフライン情報発信の場として、2023年より「あびら教育フォーラム」を実施しています。

本フォーラムでは、教育現場の視察ツアーや、安平町の課題や取り組みについて町長から直接話を聞ける企画等を実施。2年連続で計300人以上が参加し、参加者と町民が交流する機会も設けることで、外部からの注目を直接感じられる場となり、地域のシビックプライド(市民の誇り)形成にも寄与しました。

2025年は「あびら教育まちづくりフォーラム」に名前を変え、教育とまちづくりの観点から安平町の事例をご紹介します。
※ 2025年度あびら教育まちづくりフォーラムの詳細は、こちらのページをご確認ください。

③ 職員採用支援で応募者数160%超に増加

シティプロモーションと連携して、職員採用支援事業も実施しています。職員募集のポスター作成から求人サイトを使った情報発信、大学などでの安平町役場説明会の開催など、「発見」から「応募」までに必要なステップのトータルサポート業務を実施しています。

その結果、支援開始前の令和元年には応募者数8名だったのに対し、翌年には21名に増加。その後も安定して20名以上の応募が続いています。

また、「子育て」や「教育」を軸とした町の方針に共感する応募者が増え、町の取り組みを積極的に推進する人材の確保にも貢献しています。

今後の展望

安平町は令和4年から3年連続での社会人口増加に繋がっており、「日本一の公教育をめざすまち」を着実に推進させることができています。

しかし、「公教育」や「子育て」と直接関わりのない世帯や高齢者にとっては、未だ町の施策のメリットが伝わりにくく、意識の差が生じる課題も見えています。

そういった状況を打開するため、「教育」の概念を広げ、子どもだけでなく大人や高齢者も巻き込む取り組みを推進し、全町民が共感できる町の方針へと進化させていきます。

※この記事は2025年02月時点の情報です。


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