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2024年度上半期Best Project賞!受賞インタビュー(美祢市/公設塾mineto)

FoundingBaseでは半期に一度の全社合宿の中で、「高めあい、分かちあう場」として表彰式を実施しております。
2024年度上半期の BestProject賞を獲得したのは「美祢市公設塾minetoチーム」。本記事では、2024年度上半期Best Project賞を受賞した美祢市公設塾minetoチームにインタビューを実施!

今回は、美祢市の公設塾minetoをここまで拡大させた、minetoメンバーに取り組み内容や苦労、今後の抱負を伺いました。

▽合宿記事はこちら


▽受賞者(公設塾minetoチーム)

▽インタビュアー

BestProject賞を受賞した想い

【夏川戸】
改めて、Best Project賞の受賞おめでとうございます!
2024年度上期の中で、最もMVVを体現していたプロジェクトが選ばれるこの賞ですが、受賞された際の感想を教えてください!

【菅原】
そうですね、正直、ノミネートされるとは全然想像していなかったんです。ベストプロジェクト賞と個人の賞があるよとは聞いていたんですが、まさか自分が呼ばれるとは思っていなかったので、「呼ばれたらどうしよう?」って気恥ずかしさが先に来ました(笑)。だから最初は「できれば呼ばれないでほしいな」なんて気持ちもあったんですが、いざ呼ばれた瞬間は、本当に驚きましたね。

【松尾】
僕も、受賞の時は感情が抑えきれないような感じじゃなかったんですけど、モゾモゾした気持ちはありましたね。でも、自身が着任するまでの歴史も含めこれまでの積み重ねが評価されたことが本当に嬉しかったです。ただ、それと同時に、これからもっと責任感を持って進めなきゃいけないなっていうプレッシャーも感じました。

【正木】
私は当日、参加できなかったんですが、オンラインで受賞の話を聞いて「本当に嬉しいな」と思いました。特に教育事業って目に見える利益や数字で評価されにくいじゃないですか。だから今回の受賞は、「教育も街づくりに貢献できるんだ」と改めて実感しましたね。私自身も、もっとその土台を押し上げていけるように頑張りたいと強く思いました。

minetoメンバー集合写真

【大越】
僕も当時は「今じゃないかな…」なんて思ってたんですけど、今になって振り返ると、この三年間の頑張りがちゃんと評価されたんだなって感じています。立ち上げから多くの人が関わってきて、その積み重ねが今回の結果に繋がったんだと実感しました。今後は、僕たちが何をやらなきゃいけないか、さらに明確になった感じです。

【安重】
私は率直に「やることやってきたから、今受賞できて嬉しい」という気持ちでしたね。これまでの取り組みがちゃんと評価されたという実感がありました。特に教育事業部全体が本当に底上げされていたので、他の拠点もすごく頑張っていることを感じていました。その中での評価ですから、タイミングが重なったのかなという幸運も感じています。

チームとしての課題の乗り越え方

【夏川戸】
皆さんのそれぞれの視点から、受賞が大きな意味を持っていることが伝わります。このプロジェクトを続けていく中で、特に大きな壁や乗り越えた瞬間があったと思いますが、どのような工夫や努力があったのでしょうか?

【安重】
やっぱり、最初は「安平の教育事業」の存在が大きかったです。彼らが築いた土台があったからこそ、私たちも自信を持って進める事ができました。その基礎を引き継ぎ、ブラッシュアップしていくことに注力出来たことも大きな要因だったと思います。
 当初、学校の先生方や教育委員会の理解を得るのも大きな壁でした。しかし、生徒たちの変化も感じられるようになり、徐々に評価が得られるようになったと思います。

【大越】
minetoが続けてこれたのは、コンテンツの質が高かったことだと思います。最初は参加者も少なかったんですが、時間が経つにつれて、少しずつ形が整い、参加者も増えてきました。これが大きな転機でしたね。

【正木】
私は入社して1年目で、生徒の前に立つ自信がなく、最初は不安でいっぱいでした。でも、先輩たちのフィードバックを受けて、話し方など基本的なスキルを練習しました。今では、生徒や地域の方々とどう向き合うかを考える余裕もできました。

minetoの様子

【菅原】
私もあい探求を担当してまだ2週間ですが、前職で小学校教師をしていた経験から、「学校とプロジェクト学習の違い」を強く感じています。学校では生徒像が決まっているのに対し、プロジェクト学習では生徒が自分で成長したい方向を見つけるんです。そこに寄り添う姿勢が大事だなと感じています。

【松尾】
私の場合はまだ壁があると感じています。3〜4ヶ月経ちましたが、子どもたちや保護者の方に『minetoのスタッフとして認めてもらう』というところには、まだ十分に至ってないですね。でも、そこに早くたどり着きたいと思っています。子どもたちとの関係づくりに関しては、苦手ではないので、割と順調に進んでいるかなと思います。ただ、その関係を築いた後で、プログラムの内容をちゃんと引き継ぎ、クオリティを落とさないようにすることがまだ課題です。むしろ『前よりも良くなった』と思ってもらえるようにしたいんですが、今はその壁の前に立っているような感じですね。

授業を行う松尾

美祢市でFoundingBaseが教育事業に取り組む理由

【夏川戸】
改めての質問になってしまうのですが、なぜ公営塾「mineto」を立ち上げることになったのでしょうか?

【大越】
「mineto」が立ち上がったきっかけは、市長の公約にあった「公設塾」構想です。でも、その時の市長が考えていたのは、いわゆる「学習塾」のイメージで、テストで点数を上げるための場所でした。というのも、この地域には大手の塾がなかなか入ってこないという背景があり、学校外で学習する場が少ないという問題があったんですね。
ただ、それだけでは十分じゃないという声がありました。地域の子どもたちが本当に必要としているのは、学力のための勉強じゃなくて、もっと根本的に「勉強に関心を持つこと」じゃないかという話が出てきたんです。そこから、「探究学習」や「PBL(Project Based Learning)」といった、自分で考え、行動する力を育てるアプローチにシフトしました。

【夏川戸】
探究学習はどういった取り組みをしているのでしょうか?

【大越】
minetoの中で行っているのは、いわゆる「PBL」です。生徒たちが自分のテーマに沿って課題に取り組み、実際にやってみることから学びを得るスタイルです。最初はチームで活動することが多かったんですが、途中から「本当の挑戦って、個人で自分のテーマに向き合うことなんじゃないか」という話になったんです。
その結果生まれたのが「クロス探求プログラム」というカリキュラムです。その中でも「あい探求」という個人プロジェクトがあり、生徒一人ひとりが自分の興味やテーマに基づいて挑戦できる仕組みを作りました。今では、1学期ごとに10人の生徒がこの個人プロジェクトに取り組んでいます。mineto全体の生徒数は44人ですが、そのうちの4分の1がこの個人プロジェクトに参加しています。

それぞれのテーマに向き合う生徒たち

今後の展望

【安重】
「mineto」での取り組みは順調に進んでいますが、やっぱり課題もあります。中学校を卒業した後、地域を出た子たちが、その学びをどう活かしていくのか、まだまだ見えない部分もあるんです。「せっかく中学で力をつけた子たちが、卒業後どうなるのか心配だ」という声もありました。

そこで、昨年度から高校生向けの「ラーニングスペース」の設立を検討し始めました。この取り組みの主な目的は2つあります。まずは、中学校を卒業した子たちが高校に進学しても、地域とのつながりを持ちながら学びを続けること。そしてもう一つは、市外に出た人たちが戻ってこれるような場を提供することです。

【夏川戸】
「ラーニングスペース」はどんな影響を与えるんですか?

【安重】
ラーニングスペースが目指すのは、美祢に残る子どもたちが、自分でやりたいことを見つけて、それを地域で実現するための場を提供することです。たとえば、地域の課題に取り組んだり、自分の力で何かを変えてみたり、将来的には「大人になってもこのまちで続けていきたい」と思えるような環境を整えることが狙いです。
もう一つの目的は、地域を離れて高校や大学、あるいは社会人になった人たちが、美祢に戻ってきて、地域の課題解決に取り組める場を作ること。高校部が「帰ってきたい」と思える場所になればいいなと考えています。

【夏川戸】
最後に、今後の展望について伺えますか?

【安重】
今後は、中学を卒業した子たちが高校部でさらに学習を深めていき、地域で活躍できるような仕組みを作っていきたいです。また、市外に出た人たちが、美祢に戻ってきて地域の課題に取り組む場を作ることも重要です。
中高大、そして大人になるまで一貫して学び続けられる「学びの場」を提供し、それが移住や関係人口の増加にもつながるような仕組みを作りたいと思っています。まだまだ道の途中ですが、地域とともに成長し、挑戦し続けていきたいです。

【夏川戸】
「mineto」は、地域に学びと挑戦の場を提供するプロジェクトとして、今後もますます活動の幅を広げていくんですね。地域と人をつなぎ、未来への道を切り開くその取り組みに、ますます目が離せませんね!

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