高知県西部に位置する四万十町は、人口減少が進むなか、まちの次代を担う人材育成を重要課題と捉え、町内にある2つの高校の魅力化に取り組んできました。
入学者の減少による統廃合リスクや、進路の選択肢の少なさへの保護者の不安を背景に、町とFoundingBaseが連携し、町営塾「じゆうく。」を開設。高校生一人ひとりが希望する進路の実現を支える環境を整備しています。
本記事では、高校魅力化を通じて、地域に「残る」のではなく、地域を「選びたくなる」、地域という選択肢を創り出した四万十町の取り組みをご紹介します。
目的
- 町内高校の魅力化と進学実績の向上
課題
- 入学者の減少と将来的な統廃合リスク
- 高校卒業後の、進路の選択肢の少なさに対する不安や懸念
- 学校単体では進路支援リソースが不足
結果
- 3年連続で第一志望合格率80%超を達成
- 探究活動で全国レベルの評価を獲得
- 高校生の学習意欲の向上
- 地方創生推進交付金
- 地域おこし協力隊
担当課の役割
四万十町役場 企画課 人材育成推進センターは、町の人材育成を支える体制の中核として、町内高校の学習支援やまちの担い手育成、地域内外との連携促進を通じて持続可能な教育基盤を整備しています。
事業推進における課題
町内にある2つの公立高校は、入学者の減少により統廃合のリスクを抱えていました。
また、全校生徒数が70名程度と小規模であることから進路支援の体制にも限りがあり、「地元高校では進路の選択肢が限られるのでは」と感じる保護者の声も聞かれるなど、地域の未来を担う高校として、生徒一人ひとりの希望に応じた進路支援を学校内外で充実させる必要がありました。
FoundingBaseをパートナーに選んだ理由
平成27年から29年にかけて、四万十町では「人づくり戦略」を軸とした地方創生を推進しており、町の将来を担う人材育成の現場として町内の高校に注目していました。
当時、FoundingBaseが事業推進していた島根県津和野町の視察を通じて、FoundingBaseが地元高校の振興に取り組む姿を知り、その後、公設塾の運営に関して複数の事業者から提案を受ける中で、FoundingBaseを選定しました。
選定にあたっては、以下の点が評価されました。
① 地域資源や探究的な学びなど、新たな教育要素を取り入れる柔軟な企画力
② 個別・集団両方に対応する学習支援と、地域・高校・行政をつなぐ調整力
③ 単発ではなく、持続可能な運営を見据えた伴走姿勢
特に、地元高校の魅力化を通じて「地域の未来を共につくる」パートナーとしての姿勢が、町の方針とも一致し、共創体制を築くうえで重要な決め手となりました。
取り組みと成果
高校生の学力向上や進路実現のサポートを目的として、FoundingBaseとともに、町内の高校に通う生徒を対象とした町営塾「じゆうく。」を設立。
「機会を受け取る人から機会を活用する人へ」をコンセプトに、主体的な学びの場を提供し、次代の人材育成を推進しています。
その結果、次のような成果をあげています。
① 第一志望合格率3年連続80%超を達成
県内の国公立大学に加え、同志社大学、立命館大学、青山学院大学など、県外難関大学の合格者を輩出。
第一志望合格率は3年連続80%以上(第二志望含め90%以上)の高い実績を誇り、地元高校からでも多様な進路が目指せる環境が整いつつあります。
② 探究活動で全国レベルの評価を獲得
日本最大級の探究コンテスト「全国高校生マイプロジェクトアワード」にて、応募数約3,000件の中から、じゆうく。通塾生が「地域Summit特別賞」を受賞。
地域課題に主体的に向き合う生徒たちの姿が対外的にも高く評価されています。
③ 高校生の学習意欲の向上
「じゆうく。」の授業満足度は平均9.3点(10点中)。
「前より英語を学ぶのが苦じゃなくなった」「学校での数学の授業が気が楽になる」「自分で思考する時間が面白い」「難しい問題でもみんなで解くと面白い」など、前向きな学びの声が増加し、学習への主体性が育まれています。
また、高校の一部授業の企画・運営にも参画し、生徒主体で実施した文化祭では来場者数が2年で約600人も増加(約300人→約900人)。
「この高校に入って良かった」と語る生徒も多く、高校や地域への愛着醸成にもつながっています。
今後の展望
高校生の学習支援や進路支援に加えて、今後は町内中学生が「行きたい」と思える高校づくりを目指しています。
そのために、令和7年度以降は、高校との連携体制をさらに強化し、塾と高校の垣根を越えた魅力発信や、保護者・中学生に向けた説明会・イベントの開催など、プロモーション活動にも力を入れていく予定です。高校魅力化の取り組みを通じて、「進学できる高校」「自分の可能性を広げられる高校」としての認知を広げ、町内進学率の向上につなげていきます。
また、今後も地域や企業との連携によって、教育コンテンツの拡充やキャリア教育の強化を図り、四万十町の高校が「地域でしかできない学び」を提供できる場として成長していくことを目指してまいります。
※この記事は2025年04月時点の情報です。
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