山口県北部に位置する阿武町は、北長門海岸国定公園や萩ジオパークに指定されるなど、豊かな自然に恵まれた、第一次産業を基幹とするまちです。
しかし近年では、少子高齢化や若年層流出により児童生徒数が減少し、子どもたちの学びを支える学校外での学習機会の不足が課題となっていました。
そうした背景から、町ではFoundingBaseの支援のもと、公設塾開設に向けた実証実験が進められています。
本記事では、公設塾設立に向けた課題認識と検証プロセスなど、具体的な取り組みについて詳しくご紹介します。
目的
- 阿武町の子どもたちの「学び」を支え、学力の土台を高める
- 学校外での学習機会を創出し、自ら学ぶ力を育む環境をつくる
課題
- 学力状況調査において、阿武町の平均正答率が全国平均を下回っている
- 町内に私塾がなく、学校外での学習機会が家庭に委ねられている
- 地域活性化起業人
担当課の役割
阿武町教育委員会学校教育係は、学力向上や生徒指導など、子どもたちの健全育成に関連する業務を担当しています。
阿武町が抱える課題
阿武町では、子どもたちの学力低迷と、私塾が存在しないことによる学校外の学習機会の不足が課題となっていました。
その背景として、山口県全体では全国学力状況調査において全国平均またはそれ以上の正答率を記録している一方で、阿武町単独でみると全国平均を下回る傾向が見られました。
こうした状況を踏まえ、子どもたちの学校外の学びの機会として、公設塾の存在が必要とされていました。
FoundingBaseを選んだ理由
阿武町との関わりは、私たちFoundingBaseが、北海道安平町での教育を軸としたプロモーションの取り組みを事例としてご提案したことからはじまりました。
町長をはじめとする関係者との対話のなかで、将来的に公設塾の設立を目指すという構想から、その実現に向けた方針の整理や事前調査の必要性を提案。
その結果、2025年5月のプロポーザルで当社提案が採択され、2025年度は地域活性化起業人制度を活用し、公設塾開設に向けた調査事業を担うことになりました。
取り組み
2025年度は公設塾の設置に向け、阿武町の教育環境の実態を把握するとともに、仮設公設塾での検証を通じて、具体的な運営のあり方を探っています。
①阿武町の教育環境の実態を把握
阿武町の子どもたちを取り巻く教育環境を把握するため、町内の学校3校を訪問。校長や教職員へのヒアリングに加え、授業見学や授業参観を通じて、保護者から家庭での学習状況についての聞き取りも行いました。
ヒアリングの結果、2025年度まで阿武町近郊にあった大手学習塾が閉塾したことで、学校外での学習環境は家庭に依存するかたちになったことが見えてきました。自宅での学習時間が確保されている一方で、学習方法の質に改善の余地があると考えられました。
こうした背景を踏まえ、小5〜中3対象の仮設公設塾では、算数・数学を題材に、「学習方法への介入」を実施することにしました。
②約1ヶ月の仮設公設塾を開校し、公設塾の方向性を検証
2025年9月20日から10月20日までの約1ヶ月間、仮設公設塾を開校。
約半年に渡る調査で見えてきた課題をもとに、学習の「質」の向上を目指し、算数・数学を通した学習方法の改善に取り組みます。
「できない・できた・できる」を自分自身で自覚できるよう、問題を解くたびに振り返りを実施。「できたつもり」を「できる」と捉えるのではなく、「できる」と自信を持って言えるまで理解を深める姿勢を育むことを重視します。
また、仮設公設塾の期間中には2回の保護者説明会・意見交換会を開き、塾への期待値や家庭内での行動の変化についてヒアリングを行い、来年度以降の事業化に向けた参考資料として活用します。
今後の展望
2026年度の公設塾開室に向け、現在は2025年9月中旬から約1ヶ月の仮設公設塾を運営中です。
この期間を通じて、参加した子どもたちや保護者と継続的にコミュニケーションを取りながら、公設塾への期待値やニーズを把握していきます。
あわせて、運営を経て浮かび上がってきた課題や必要な支援のあり方についても検証を進め、事業化に向けた第一歩と位置付けています。
今後は、教育委員会との調整を図りながら、公設塾のコンセプト設計や学習コンテンツの開発などに着手していきます。
阿武町の子どもたちが「人生で一番頑張った」と振り返られる経験をこのまちで得られるよう、引き続き取り組んでまいります。
※この記事は2025年09月時点の情報です。
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