国公立や私立をあわせて全国には約5000校の高校があります。

しかし、少子化が進む中、地方の高校では募集定員割れや進学実績の低下が深刻化し、学校存続そのものが課題となっています。

大分県豊後高田市も例外ではなく、高校の魅力向上と生徒の進学支援を両立させる仕組みづくりが求められています。

そうした中で立ち上がったのが、「高田高校生のための学びの21世紀塾「うみね」(以下、「うみね」)。

地域と連携しながら、学びとキャリア形成を支援する公設民営塾として、学校外での新しい教育の場をつくり出しています。

FoundingBaseは、2018年度に高校魅力化コーディネーターとして大分県豊後高田市に地域おこし協力隊として社員を派遣。約4年間、教職員と協働で学校の探究活動の企画・運営に携わった後、豊後高田市教育委員会からの委託で「うみね」を立ち上げ、高田高校生の学習や探究、キャリア支援に取り組んでいます。

今回は、シチズングロース部の勝畑 大樹さんに、豊後高田市が抱える課題や「うみね」での取り組みについて伺いました。

高田高校生のための学びの21世紀塾「うみね」とは

──まずは豊後高田市が抱える課題を教えてください。

豊後高田市には一市一校である大分県立高田高等学校(以下、高田高校)があります。

地域住民から「たか高」の名で親しまれている同校は、「地域とともにある学校」を掲げ、地域人材や地元の小中学校と連携した活動が盛んに行われています。2025年で創立115年を迎えた大分県内有数の伝統校で、約380人の生徒が在学しています。

県内有数の伝統校なのですが、近年、県立高校入試の募集定員に対して志願者数が定員に満たない「定員割れ」の状態が続いています。これが続くと将来的に高校の存続が厳しくなると言われています。

そこで同校は、入試の定員割れの要因の一つに高校卒業後の進学率の低迷があると捉え、全校体制で生徒の進路をサポートしています。 

──ありがとうございます。では、豊後高田市でのFoundingBaseの取り組みについて教えてください。

FoundingBaseは豊後高田市から2つの事業の委託を受けています。

1つ目は、高校魅力化コーディネーターです。

高田高校と協働のもと、総合学習における探究活動の企画・運営や、学校広報を担っています。

2つ目は、公設民営塾「うみね」の運営です。

「うみね」では、学習、探究活動、キャリアの3つを軸に生徒を支援しています。

──そうなんですね。先程、おっしゃっていた「うみね」について教えてください。

「高田高校の入学志願者数の増加」「在籍生徒の学力向上」「卒業後に活躍できる人間力の育成」を目的に、2022年度に開設した公設民営塾です。

高田高校に通う1〜3年生が対象で、25年度は約100人が通塾しています。

さまざまな支援を通して生徒の学びをサポート

──学校外の学習を担う「うみね」では、どんなことに取り組んでいますか?

「うみね」では、集団授業と個別伴走をしています。

集団授業では、英数国の科目とテスト対策を行い、勉強の楽しさや勉強でできることを増やしています。

合わせて、生徒一人一人がスタッフとの個別面談を通して、設定した目標を達成するための伴走支援をしています。

──では、探究活動の支援はどのような支援をしていますか?

探究支援では、キャリアコースと個別プロジェクトの伴走をしています。

キャリアコースは、2年生を対象に週1回、卒業後の進路を考える時間を提供しています。生徒は、進学や就職、なりたい職業などからリサーチし、スタッフと対話することで、自分の進みたい道を考える機会となっています。

個別プロジェクトの伴走では、生徒の興味関心をテーマに立ち上げたプロジェクトの助言や地域人材の紹介などを行っています。

さらに「うみね」では、こうした探究支援の一環として、全国の拠点をつなぐオンラインプログラム「アクセル」にも参加しています。

──「アクセル」とはどのようなプロジェクトですか?

アクセルは24年度に始動した拠点横断型の探究支援プロジェクトで、全国各地にあるFoundingBaseの教育事業部が展開する学習施設に通う生徒たちが切磋琢磨しながら「探究」の全国大会出場を目指すプログラムです。

定期的にオンラインでプロジェクトの進捗を報告するため、他地域の高校生や他拠点のスタッフからフィードバックをもらうことで新しい視点の気づきを得る機会となっています。

2024年度、「うみね」からは1チーム3人が参加。 各地の高校生から刺激を受け、プログラム参加後は「自分の考えを言語化して相手に伝える」ことができるようになりました。

開設から3年。結果を出すプロセスの質に注力して運営していく

── 取り組みを行った結果、どのような成果がありましたか?

2025年度は、難関大学合格が3人、全国高校生マイプロジェクトアワード全国Summit出場が1チーム3人という結果になりました。また、定期考査や模試で点数が上がった生徒もいました。

英語が苦手な生徒がいたのですが、スタッフと二人三脚で文法や単語に取り組んだ結果、先日の模試で文法が全国平均以上の点数を獲得しました。現在は、英検に挑戦する目標を立て、勉強に励んでいます。

── これまでの取り組みを見て周囲からはどんな反応がありましたか?

前向きなお言葉を頂いています。

教職員や保護者からは、「生徒の言語化がうまくなった」「塾に通う習慣ができた」などの声が寄せられています。

また、教育委員会からは「今後の対象を中学生まで広げていきたい」といった期待の声も上がっています。

── 開設から3年が経ち、24年度は目に見える成果がありました。今後、「うみね」をどう運営していきますか?

現在は、関わっている生徒や既存の取り組みの質を上げることに注力しています。

結果を出すためにプロセスの質をどうしたら上げられるのかを引き続き考えつつ、「うみね」のプログラムを通して大人になっても使えるスキルが身につく場にしていきたいと考えています。

まとめ

豊後高田市の高田高校生のための学びの21世紀塾「うみね」では、日々の学習支援に加え、地域を題材にした探究活動の支援を行い、生徒のやりたいという思いに寄り添った活動をしています。

学校単位では難しい個別支援や進路伴走を公設民営塾が担うことで、教職員の負担を軽減しながら、生徒の進学意欲と地域との関係性を同時に育むことができています。

FoundingBaseは、教育委員会と学校のハブとして、公設民営塾設置における企画構想から運営設計、人材配置まで一貫して伴走します。

「地域の高校を魅力化したい」「公設民営塾を検討しているが何から始めればよいかわからない」とお考えの自治体様は、ぜひお気軽にご相談ください。

※この記事は2025年10月時点の情報です。


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