大月町は、世界有数のダイビングスポットを有し、日本で確認されている魚種の約⅓にあたる約1,000種類が生息するとされ、全国各地から多くの観光客が訪れています。

2023年4月にオープンした「大月アウトドアフィールド KASHINISHI」は、足摺宇和海国立公園内にあるアウトドア宿泊施設です。
FoundingBaseは、オープンに向けたプロデュースと、その後の運営を担っています。

豊かな自然資源を有していることから、地域の観光課題解決に向けたポテンシャルを秘めている国立公園。
一方で、国や都道府県の規制により事業推進ハードルが高く、その豊かな自然資源を活かしきれていないという自治体も少なくありません。

ハードルの高さから活用が進んでいないケースが多い中、「大月アウトドアフィールド KASHINISHI」が、どのように地域の観光へ効果をもたらしているのか。

本記事では、「大月アウトドアフィールド KASHINISHI」の取組の詳細についてご紹介します。

目的 目的
  • 町内観光スポットの一極集中の解消(柏島に並ぶ観光スポットの創出)
  • 来訪者の地域での滞在時間の延伸
  • 消費機会の創出
課題 課題
  • 園地改修に関する規制が多く、事業推進のハードルが高かった
  • エリア一帯の豊かな自然環境を観光資源として活かしきれていなかった
  • 観光スポット「柏島」に入込が一極集中していた
結果 結果
  • 自然資源を活かした観光コンテンツを地域住民や事業者と共創
  • 周辺スポットのPR強化やエリア横断事業を展開し、エリア全体の回遊性と集客力を向上
使用した交付金・補助金
  • 地域おこし協力隊
  • デジタル田園都市国家構想交付金

担当課の役割

持続可能なまちづくりに向けて、まちづくり推進課は移住促進・関係人口創出など、産業振興課は観光施設の整備や改修、運営などに取り組んでいます。

地域の観光における課題

海の景観の美しさやダイビングスポットとしての魅力により、多くの観光客を誘致している一方で、その恩恵は有名観光スポットに局所的に集中していました。

また、観光客の目的の多くが、景勝地やダイビングスポットなど日中の観光コンテンツであったことから、観光客が地域に費やす時間・消費が伸び悩んでおり、いわゆる「通過型観光」の傾向が強まっていることも課題でした。

プロジェクト推進における課題

観光誘客の分散や通過型観光を打破するために着目されたのが、町内の足摺宇和海国立公園でした。同公園を体験コンテンツや宿泊機能を有するエリアとして開発することが、観光課題への打ち手として有効ではないかと考えられていました。

しかし、
・開発に必要な環境省の許認可のハードルが高いこと
・開発には大きな予算を要すること
・運営を見据えた設計を行う必要があること
・現地で運営に従事しながら、改善活動を行える人材が不足していること
など、こうした課題の解決なくして、事業の着手は困難でした。

FoundingBaseをパートナーに選んだ理由

自治体職員向けのまちづくり施策のセミナーでFoundingBaseのことを知り、スタッフが地域に常駐しつつ、深く地域と関わりながら実行していく姿に関心を持っていただきました。

足摺宇和海国立公園の利活用については、企画・予算確保・運営をセットで協働できる相手が不可欠でしたが、地域内にはプレイヤーが不足。

しかし、地域外の事業者との連携は、観光コンテンツの造成や運営ノウハウの提供といった「点」での関わりは可能なものの、その後の事業運営まで継続的に支援してもらえるケースは少ないことが懸念されていました。

その懸念に対し、FoundingBaseは「戦略づくり→事業設計→運営」の全ての段階において常駐しながら実行していくモデルを提案。
「立ち上げて終わり」ではなく、「立ち上げた後も、共に事業を作っていく」という進め方への安心感と、他地域でもアウトドア施設の企画・開発・運営の実績がある点が決め手となり、FoundingBaseとの協業を決定されました。

取り組みと成果

①有料キャンプエリア&グランピング施設をオープン

地域での滞在時間の延伸・観光消費額の増加に向けて、以下を実現しました。

2023年度:無料キャンプエリアの有料化
2024年度:グランピング施設のオープン*
* デジタル田園都市国家構想負担金を活用

2023年4月のオープン以来、多くの方にご利用いただいており、有料キャンプ場がオープンした2023年度の年間売上は約90万円、グランピング施設を加えてリニューアルした2024年度の年間売上見込みは約1,000万円と、大きな成長を遂げています。

施設開発にあたっては環境省の許認可が高いハードルでしたが、省庁内での審査に向けて、開発の可否やその理由の整理などについてもFoundingBaseが徹底的に伴走。実現可能な手法を自治体職員と共に探りながら、開発・設計を推進しました。

②自然資源を活かした観光コンテンツを地域住民や事業者と共創

来訪者の周辺エリア一帯に対する満足度を高めるため、大月町の魅力的な自然資源を活かした体験アクティビティを企画・運営しています。

宿泊にとどまらず、体験コンテンツを通して自然の魅力を提供することで、来訪者の「大月町での体験満足度」向上に貢献。さらに、新たな収益源として、経営上でも大きな役割を果たしています。

③周辺スポットのPR強化やエリア横断事業を展開し、エリア全体の回遊性と集客力を向上

観光客の回遊を促し、地域全体の集客力を向上させるため、他のスポットへの人の流れ・興味関心を波及させるため、
・SNSを開設し、エリア一帯の魅力発信を強化
・学生インターンの受け入れ、関係人口創出に向けた取組を実施
・宿泊プランと合わせて地域の魅力をPR

などの取り組みを行っています。

今後の展望

地域全体の観光振興を高めていくため、以下の施策を推進します。

・複数の施設運営や、施設をまたいだコンテンツ発信による広域プロモーションの実施
・各施設や周辺エリアの資源を活かした新たな体験コンテンツ等の開発
・施設・拠点同士をつなぐ周遊プランなど、回遊性を更に高めるコンテンツの開発

こうした取り組みを通じて、「大月アウトドアフィールド KASHINISHI」単体にとどまらず、地域内の複数施設の管理・運営をFoundingBaseが担いながら、施設同士の連携を強化し、エリア一体としての魅力の向上や発信を進めていきます。

※この記事は2025年02月時点の情報です。


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