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地域の方とこども食堂を開催!”こども食堂プロジェクト”

公設塾minetoでは、毎週土曜日に「まち探求」を実施しています。令和6年度は、5月より「こども食堂プロジェクト」がスタートしました。

今回の記事では、こども食堂プロジェクトの目的と、活動の様子をお伝えします!

FoundingBase美祢拠点については、こちら↓


▼minetoのまち探求とは?

こども食堂プロジェクトは、minetoのクロス探求プログラムのうち、「まち探求」の一環として行うものです。

minetoのクロス探求プログラム

minetoのまち探求は、次のような3つの特徴があります。
・ミッション達成を目指し、3ヶ月程度のプロジェクトを行うこと
・美祢市を舞台に活動すること
・チームで活動すること

これまでに、イベントプロジェクト、農家プロデュースプロジェクト、新規ビジネスプロジェクトなどを実施してきました。

イベントプロジェクトについては、こちら

農家プロデュースプロジェクトについては、こちら

新規ビジネスプロジェクトについては、こちら

「まち探求」では、地域の課題をテーマとし、地域の中で「行動」をしていくことで、育てたいひとである「自分の可能性に向かって、挑戦を愉しむひと」の土台をつくっています。

▼こども食堂プロジェクトとは?

こども食堂プロジェクトは、美祢市でこども食堂を運営されている「地域食堂ふらっと」の皆様と食生活推進委員の皆様と協働してこども食堂を開催するプロジェクトです。

こども食堂プロジェクトの運営体制

まち探求では毎回、塾生たちにMISSIONを提示します。

今回のMISSIONは、「お客さんの満足度が9.5以上になるようなメニューを開発せよ!」「“動画を観て来ました!”というお客さんを20人集めよ!」。
塾生は、「お客さんが満足するメニューを考えるメニュー開発チーム」と「CM動画を作る映像制作チーム」に分かれて活動しました。

メニュー開発チームのミッション
映像制作チームのミッション

▼こども食堂プロジェクトの特徴

まち探求で目指すのは、「自分の可能性に向かって、挑戦を愉しむひと」を育てること。
その仕掛けとして、こども食堂プロジェクトでは、塾生1人ひとりが行動できるように、チームの中で役割を決めることにしました。

授業で使用した「役割分担シート」

これまでのプロジェクトでは、スタッフから塾生個人に、面談を通して本人の強みや課題に沿った役割を伝えていました。
しかし、実際チームで活動するとき、面談で伝えた役割とは異なった役割を担うことも。また、スタッフがプロジェクトの進め方に介入をしすぎることで、塾生が「行動できた」という実感を得られにくいのではという問題がありました。
そこで、チームの中で役割を決めメンバー同士で共有する、スタッフは役割に沿って塾生の行動を促す伴走の形に変えました

▼活動の様子

こども食堂プロジェクト 活動の流れ

・こども食堂の課題を解決するアイデアを考え、企画書づくり!

こども食堂の方からお聞きした「栄養のあるメニュー」「コミュニケーションが生まれるメニュー」「普段こども食堂に来ないような人も来たくなる映像」といった、課題に合わせて、実際に提供するメニュー・広報を行うCMのアイデアを考え、企画書を作成。
塾生から「夏休みのこども食堂だから、食べる前にみんなで楽しく遊べるような企画があった方が良いのでは?」という意見も生まれ、レクリエーションチームも発足しました!
「やさしさ大臣として、大人もこどもも楽しめるパフェを考える!」や「お金&効率大臣として、食材費の計算をするね」など役割分担をして企画を考える姿がありました。

課題の分析をする様子

・美味しさだけではなく効率良く調理するには? 試食会を実施!

こども食堂本番に向けて、試食会を実施!
メニュー開発チームは、考案したメニューを実際につくり、地域食堂ふらっとさん、食生活推進委員の皆様からアドバイスをいただきました。

↓塾生が企画したメニュー

・こどもたちが楽しくなるように星型やハート型で型取られた人参が入った「カレーポトフ」
・ツナ/卵/チキンカツの3種類から選べる「サンドイッチ」
・細かく刻んだポテトチップスが乗っている「チップスカップサラダ」
・ゼリーやジャム入りの洋風/きなこ白玉入りの和風から選べる「パフェ」

試食会で作ったメニュー

実際に作ってみてわかる、調理工程が複雑で調理時間が大幅にかかる、食材数が多い、こどもにとっては味が辛いなどの課題が。
「みんなで野菜の皮を剥いてから切るだと作業効率も悪くなるので、野菜の皮を剥く人と切る人分けた方が良いよ!」などのアドバイスもいただきました。

地域食堂ふらっとさん、食生活推進委員の皆様からアドバイスをいただく様子

レクリエーションチームは、室内でできる工作のリハーサルを実施。本番では、小学生に教える立場となるので、自分たちで実際に作ることで、難しいポイントやコツを見つけていました。

↓塾生が企画したレクリエーション

・浮沈子(ふちんし)、輪ゴムピストル、テラリウム、紙飛行機、空気砲
・ウォーターサバゲー

本番に実施する工作を試す様子

映像制作チームは、広報CMを制作するため、調理や工作をしている様子の映像を撮影。
表情を映すには、思っている以上にカメラを寄せることが大事だという気づきもあったようです🎓

↓塾生が企画した広報CM

・こども食堂で提供するメニューがどんな風に作られているのか分かるCM
・ウォーターサバゲーのオススメポイントが伝わるようなCM

試食会の様子を撮影する映像制作チームの塾生

・来客数83名!こども食堂無事開催!

試食会後、スタッフから「変えられることと変えられないこと」合言葉をレクチャー。
塾生たちは、試食会の結果を踏まえ、原因を洗い出し、自分たちの力で「変えられること」を選び、次の行動を決めていきました。

いよいよ迎えたこども食堂本番。
当日の来場者は2歳〜60歳以上を含む83名
塾生が企画をしたメニュー/レクリエーションの満足度9.2という結果になりました!
今回、塾生にとっては初めての100人規模のイベント。1人ひとりが役割を持ち、企画&改善を重ねてきたことで、当日こどもたち自らが主体的に運営している姿がありました。

当日の様子

・ミッション達成には一歩届かず!次の活動に活かすことのできるポイントは?

こども食堂本番の満足度平均は9.2/10点、映像チームが作成したCMを見て来られた方は11名。惜しくもミッション達成に至らなかった3チーム。
こども食堂本番後、塾生たちからは、

・試食会で気づいた点を修正できたから良かった
・相手に配慮した味づけをできるといい
・準備に関する事前練習を行い、効率いいウォーターサバゲーの運営ができればよかった
・広報をもっと早くできたらよかった

などの声が挙がりました。

振り返り内容を発表する様子

▼プロジェクトの価値

・塾生の変化

まち探求で目指すのは、「自分の可能性に向かって、挑戦を愉しむひと」を育てること。
そのために、チームで取り組むプロジェクトであっても「自分たちでプロジェクトを進めている感覚」を持つことができる設計を行ってきました。

①1人ひとりがチームの中で役割を持つ
「やさしさ大臣サポートチームと、お金&効率大臣サポートチームとで分かれて企画を立てよう」といったチーム主体で役割分担をして企画を進める姿が!

②チームメンバーで良い行動をコメントし合う
自分のできたことに気がつけなかった塾生が、最後の振り返りでは「試食会で失敗をしても前向きに次どうすればいいか考えることができた」と自分のできた行動に目を向けている様子も見られました!

チームでコミュニケーションを取りながらワークをする様子

・まちの変化

「こども食堂プロジェクト」では、美祢市全域から過去最多の9名の方に関わっていただきました。協働者として関わっていただくことで、minetoの取り組みについて知っていただけたことに加え、「こどもたちが失敗から学び、成長していく姿が印象に残りました」と塾生の成長を間近で見ていただく機会となりました。

また、「美祢市の未来を託す頼もしい人材に出会えたことに感謝」といった言葉もいただきました。

このように、塾生が自ら考え、行動する機会を地域の方と一緒につくることで、ひとの成長を生み出し、まちの変化も創っていくことができると感じています。

こども食堂無事終了!の記念写真

まち探求では、引き続き、さまざまな地域の方と協働し、プロジェクトを進めます。10月からは、新しいプロジェクト「観光マッププロジェクト」がスタート!
美祢市外の人が美祢市に行きたくなる観光マップを0からつくります!
今後の発信にもご注目ください!