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4拠点合同まちづくりスタディーツアーを開催! 〜「課題×自分のワクワク」で考えるまちづくり〜 (京都府宮津市)

8月8日〜11日にかけて、スペース&ツアー事業部と教育事業部の4拠点合同まちづくりスタディーツアーを宮津にて開催しました!

長野県喬木村、福井県美浜町、今回のホストである京都府宮津市、そしてクロスワークセンターMIYAZUとのご縁で愛媛県から、総勢20名を越える中学生〜大学生が宮津に集結。
本記事にて、ツアーの実施背景や当日の様子などをご紹介します!

テーマは「課題×自分のワクワク」

本企画は、地域への当事者意識の再醸成、地域で生きることの愉しさを感じるきっかけの提供を目的に実施しました。

「課題」と聞くと、ネガティブな印象をもつことも多いかと思います。そして地域には課題がたくさん存在しています…
しかし、そんな地域の「課題」も捉え方によっては、その地にしかない「魅力」や「ワクワク」そして「関わりしろ」に変わるかもしれない。

今回のツアーの舞台となった京都府宮津市のクロスワークセンターでは、「まちの想いを共にカタチにする場所。」をコンセプトとし、地域から集まったモヤモヤ(課題)を地域と共にワクワク(魅力)に変える地域共創型の運営を実施してきました。

「まち」はそこに住む「ひと」の集合体であるからこそ、そのまちに住むひとりひとりのワクワクがまちづくりの原動力になります。まちづくりの主人公は自分であり、自分のワクワクからまちづくりは始まることをメッセージに込めて、「課題×自分のワクワク」をテーマとしました。

宮津のまちと、まちづくりを知る

ここからは、ツアーの内容についてご紹介したいと思います。
1日目は「宮津のまちづくりとまちを知る」をテーマに、宮津の地域課題に基づいた体験やまち歩きを実施しました。

宮津の地域課題に基づいた体験では、丹後の伝統織物である「丹後ちりめん」の余った布を使ったお裁縫ワークショップを体験。

ちりめん生地を一生懸命Tシャツに縫いながら、伝統織物の洗練された美しさや繊細さに触れることができました。
また、地域の課題がこのようなワクワクした企画に生まれ変わり、さらにそこに携わる方々の経緯や思いなどを聞くことができ、このツアーのテーマの理解が深まる時間となりました。

続いて、まち歩き。
クロスワークセンターの筒井が案内人となり、宮津のまちを探索。京都らしい建物や昔は芸妓さんが歩いていた石畳の道、海や山が見える景色、港からまちへ荷物を運ぶ元水路だった細い路地裏、景観を溶け込ませながらも中に入ると個性が爆発しているスナック…
宮津の街並みを通して、自分のまちを比較基準に、会話を交わしました。

そして、1日目の最後のコンテンツは懇親会。
古民家を利活用したシェアスペース「ちしや」さんで宮津の食材をふんだんに使ったご飯をみんなで囲み、感想を共有し合いながら1日目を終えました。

地域起業家からライフキャリアを学ぶ

2日目は「地域起業家からライフキャリアを学ぶ」をテーマに、地域課題を自らのワクワクに変えてまちづくりをしている若手起業家のところへお邪魔し、体験&インタビューを実施しました!

・アーティスト 谷口実里さん(Uターン)
 →表現を通して自分の心と向き合うワークショップ

・農家兼起業家でレモン農家を営む矢野大地さん(Uターン)
 →レモンの木の剪定作業体験

・漁師の本藤脩太郎さん(Uターン)
 →たこ漁体験

・鍼灸師兼まちづくりプロデューサーの髙橋友樹さん(Iターン)
 →お灸づくり体験

体験&インタビュー後は、それぞれのグループの内容を共有し合いながら、取材先との交流を通して見えてきた彼らにとっての「課題×自分のワクワク」とは何かを考え、そこから学べることを言語化しました。

「まちのためというより、自分がどう生きたいかを考えて選択していることが印象的だった」
「何をするにしてもパッション!」
「課題=関わりしろ!」
「地元の人たちとの出会いがまちづくりに繋がっている。少しの出会いやきっかけが自分のこれからに大きくつながることががあるので、気になったことは体験してみることが大切だと思った」
など、多くの学びや気づきがありました。

その中でも一貫していたのは、地域起業家の方々は、決してまちづくりのために仕事をしているわけではなく、自分が純粋にやりたいことや好きなこと、面白いと思うことを、地域というフィールドを使って挑戦している。そして、その挑戦の中で想いを共にする仲間ができたり、たくさんの人と関わることで、結果的に自分たちのすむまちに対しても、すきという気持ちや誇りが醸成されているということでした。

発表後は、翌日の成果発表会に向けて2日間の学びのまとめに入ります。
ひとりひとりがこのツアーを通して学んだことや地元に持ち帰りたいこと、自分のまちでやってみたいことなどを、1枚の白紙の模造紙に自由に表現してもらいました。
最初は、言葉や構成に落とすのに苦労していた生徒たちでしたが、他地域の生徒と互いにアドバイスや意見を出し合い、これまでの体験を自分の言葉にしていきました。

2日間の学びを発表

最終日は、ツアー中に関わってくださった宮津市の方や参加自治体の役場職員等をお招きし、各自で2日間の学びを発表しました。
各発表後の質疑応答タイムでは、参加者の方も主体的に参加していただき、みんなで「まちづくり」について考えを出し合ったり、生徒のまちでのアクションプランについて企画を深める時間となりました。

とある参加自治体の役場職員さんは、「うちのまちの高校生が、ここまでまちのことを考えてくれて、この仕事をして初めて感動した」と涙目を浮かべながら感想を述べてくれました。

参加生徒の学びとして、ツアーのメッセージでもある「まちづくりの主人公は自分であり、自分のワクワクからまちづくりは始まること」をこの3日間での出会いや体験を通して、感じてもらえたことが伝わる内容でした。

・「地域課題」と聞くと、ネガティブやマイナスなイメージを持っていたが、宮津にきて、ひとりひとりが地域の課題を魅力やワクワクに変えながら、自らの意志で愉しく人生をつくり上げている姿がかっこよく、自分もそうなりたいと思った。

・まちに住む一人一人の意志の総和がまちである。という言葉が印象に残っており、みんなの意志が集まれば、自分たちの住む小さなまちなら本当に自分達の手で少しづつでも変えることができると思ったので、自分のまちでもチャレンジしたい。

・こんなに本気でまちの未来や自分の人生について語り合える、同世代の仲間が全国にできて本当に嬉しい。こんな仲間が欲しかった。みんなと一緒に、それぞれのまちに帰っても、まちづくりを頑張りたい。

一部抜粋

おわりに

ツアーの満足度は5点満点中4.8点をいただくことができました。
そして、このツアーをきっかけに、それぞれの地域で生徒が起案したプロジェクトが生まれ、地域でのアクションに繋がってきています!クロスワークセンター(宮津市)が、生徒たちの成長や変化を促す舞台となり、ツアーでの出会いや体験によって、自分の意思で、地域で行動してみるきっかけをつくることができたと思います。
引き続き「地域の価値を共創し、地域という選択肢を提供する」というVISIONのもと、まちづくり事業に取り組んでまいります。
改めて、今回のプログラムにご協力いただいた宮津市の方々、生徒や行政のみなさん、ありがとうございました!