高知県東洋町は、水産業や柑橘類の栽培が盛んで、サーフィンの名所としても知られています。
町の流通拠点である「道の駅 東洋町」は、地元住民の生活を支える直売所としての機能に加え、観光客向けの物産販売を担う重要な役割を持っています。
しかし、自治体直営での運営では売場の魅力向上や経営改善に十分なリソースを割くことができず、さらにコロナの影響も重なり経営悪化状態が続いていました。
全国的にも、自治体直営の道の駅は売上を伸ばすことができずに悩んでいるケースは多く、東洋町も例外ではありませんでした。
そこでFoundingBaseは、経営改善をミッションに着任。地域スタッフと生産者のみなさんと共に売り場の刷新や仕入れの最適化に取り組み、2年で大幅な経営回復を達成しました。
本記事では、プロジェクト発足時に抱えていた町の課題や、具体的な取組について詳しくご紹介します。
目的
- 経営の健全化を実現し、地域産品の流通拡大につなげる
課題
- 店舗の明確なコンセプトや戦略がなかった
- 会計データが活用されておらず、利益率を考慮した仕入れ・販売ができていなかった
- 地場産品の活用が進んでおらず、地域の一次産業の活性化への貢献度が低かった
結果
- 「売れる売り場」をつくるための戦略策定
- 「収支の見える化」と「適切な事業投資」による売れ筋商品の安定流通
- レストランメニューの食材に地場産品を最大限に活用
- 地域活性化起業人
- 地域おこし協力隊
担当課の役割
持続可能なまちづくりに向けて、企画調整室は各種企画・計画の策定や、観光・移住推進などの取組を担当し、産業建設課は公共施設の維持管理などを担当しています。
プロジェクト推進における課題
地場産品を活かした地域経済の発展の拠点として設置された「海の駅 東洋町」ですが、コロナ禍以降は経営が悪化していました。
地域経済の発展に向けた拠点として機能するためには、施設自体の経営健全化が不可欠でした。そのためには、自治体直営の運営体制を見直す必要があると考え、民間活力を導入することも検討されていました。
しかし、地域には事業改善を担えるプレイヤーが不足しており、戦略の策定や運営体制の見直しが進められない状況でした。
FoundingBaseをパートナーに選んだ理由
地域外の事業者との協業では、「事業化した後の運営は地域事業者が担うことになり、プレイヤー不足で運営を持続させることが難しい。」という悩みが全国的にも叫ばれており、東洋町も例外ではありませんでした。
そこで、「地域に常駐し、運営にフルコミットしながら、ヒト・モノ・コトの視点でまちづくり施策を実行する」というFoundingBaseの事業スタイルに共感をいただき、地域おこし協力隊として道の駅の駅長ポジションに着任。運営改善に取り組むことからスタートしました。
取り組みと成果
令和3年12月より、地域おこし協力隊として駅長ポジションに着任。当時の運営状況を分析し、売り場の改善活動に着手しました。
① 「売れる売り場」をつくるための戦略策定
「来店目的」「購入理由」「売れ筋商品」など、顧客のニーズを徹底的に分析。売れ筋商品や収益性の高い商品を軸に売り場を再編成しました。
また、交流人口の動態や近隣の競合施設なども分析し、道の駅ならではの強みを軸にした方針・戦略づくりを行いました。
②「収支の見える化」と「適切な事業投資」による売れ筋商品の安定流通
会計の状況を詳細に把握し、収支を見える化したことで、売れる商品の安定仕入れやロス削減が可能になり、利益率が大幅に向上。さらに、レストランメニューの改善や加工商品の開発も進め、売上単価の向上にもつながりました。
③レストランメニューの食材に地場産品を最大限に活用
従前は大手メーカーから仕入れていたレストランメニューの食材を、漁業者をはじめとする地域の生産者からの仕入れに大幅に変更。
具体的には、マグロを1尾まるごと仕入れ、刺身定食としてレストランで提供するほか、刺身の「柵」として販売を行うなど、仕入れロスを減らしながら地場産品を最大限活用する取組を行っています。
④ 地域スタッフの自立自走による地域の人が主役の拠点づくり
地域スタッフが主体的に事業改善に関わる体制を構築するため、社内評価指標に基づく人事制度を導入。
定期的な面談や研修を実施したことで売り場改善への自主的な提案が増え、地域スタッフ自身が主体となって拠点づくりを進められる環境が整いました。
上記の取組を継続した結果、FoundingBaseの参画以前は経営が悪化していた状態を、令和4年度には改善することに成功。令和5年度には令和4年度を超える利益を生み出すことができ、大きな成長を遂げています。
令和5年度からは指定管理者として運営を受託し、持続可能な運営モデルを実現させています。
今後の展望
地域経済をけん引する「地域経済の中心拠点」として更なる進化を遂げるため、以下の取組を推進しています。
・地場産品活用の推進:地場産品を活用した製造加工を推進し、六次産業化の拠点としても貢献。地域の一次産業の活性化へ
・販路拡大:オンラインショップ開設により、地元産品の県外販売を拡充。持続的な地域産業の発展へ
・情報発信強化:ホームページ・SNSを刷新し、都市部の消費者・観光客へのPRを強化
・ブランド戦略:ロゴのリニューアルによる「道の駅」としてのブランドアイデンティティ確立
このほか、道の駅周辺の遊休地・遊休不動産の利活用に向けた協議を進め、新たな観光拠点の立ち上げにも着手しています。
これらの取り組みを通じ、単なる物産販売にとどまらず、地域経済を持続的に成長させる拠点へと進化していきます。
※この記事は2025年02月時点の情報です。
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