北海道東部に位置する美幌町は、雄大な自然を身近に感じられる環境と、女満別空港からの良好なアクセスを兼ね備え、「美幌峠」などの景勝地を求めて年間70万人もの観光客が訪れます。
一方で、来訪者との関わりが一過性に止まり、まちと継続的に関わる関係人口の少なさや、移住検討者向けの相談窓口、地域内外のコミュニティ形成の不在といった課題がありました。
こうした課題に対し、人が集まり、まちの声と課題を可視化する仕組みを備えた交流拠点として「KITEN」が2023年4月にオープン。関係人口や定住人口増加に取り組んでいます。
本記事では、プロジェクト発足時に抱えていた町の課題や、具体的な取り組みについて詳しくご紹介します。
目的
- 「KITEN」を起点に地域内外の交流の活性化と移住促進
課題
- 関係人口・移住相談拠点の不在
- 官民連携した移住促進フローの未整備
- 地域内、移住者同士の交流がすくない
結果
- 地域のお悩み事、相談を収集してイベント、プロジェクト化する「相談カルテ」を行い、年間100件以上のイベント・プロジェクトを創出
- 自治体と企業の”橋渡し”役として伴走し、研修やワーケーションでの施設を利活用
- 気軽に相談できる場として移住検討者を後押し。年間14名の移住に貢献
- 地域おこし協力隊
- 地域おこし協力隊インターン
- デジタル田園都市国家構想交付金 地方創生テレワーク型(高水準タイプ)
担当課の役割
美幌町総務部政策推進課は、まちの総合計画の策定や移住相談・体験住宅の提供など、持続可能なまちづくりを推進しています。
美幌町が抱える課題
美幌町では関係人口創出に向けた施策に取り組む中で、「関係人口・交流拠点の不在」「官民連携した移住促進フローの整備」「地域内、移住者同士のコミュニティの形成」といった課題を抱えていました。
このような課題に対して、行政単体での対応には限界があり、多様な人と連携しながら課題を共有し、行動に転換していく場づくりと仕組みづくり、また、そうした多方面と連携を図りながら事業を推進する担い手が求められていました。
私たちFoundingBaseは、これまで他拠点で実施していた移住コンシェルジュの活動や、コワーキングスペースなどを活用した地域の交流の場づくりの実績などが評価され、「KITEN」の運営に携わることになりました。
取り組みと成果
関係人口増加と定住人口の促進に向け、イベント開催やワーケーション開催などを展開しています。
その結果、3つの成果をあげています。
①地域からの「やってみたい」、「お困りごと」を起点に「相談カルテ」を行い、年間100件以上のイベント・プロジェクトを創出
KITENでは、まちの「やりたい(WANT)」と「できる(GIVE)」を可視化・蓄積し、マッチングを通じたイベント・プロジェクトを実施しています。
2024年度は300件以上のGIVE/WANTの相談が寄せられ、「キャリアワークショップ」や「フリマ出店」など100件以上のイベント・プロジェクトが実現。
GIVE/WANTの可視化は単なるマッチングに留まらず、まちの課題や期待値を“見える化”する指標にもなっています。
美幌町ではWANTが多く集まる一方でGIVEが少ないという偏りが見えたことで、プロジェクト伴走やSNSによる情報発信など、GIVEが形になる支援を強化するなど課題に即したアクションに繋げています。
こうした仕組みが地域の課題を具体的なプロジェクトや行動に変え、関与者の自己効力感やまちの期待度向上につながり、関係人口の創出を後押ししています。
②自治体と企業の”橋渡し”役として伴走し、研修やワーケーションでの施設を利活用
GIVE/WANTのマッチングに加え、地域外人材のマッチング創出として、ワーケーションやサテライトオフィスの誘致に取り組んでいます。
25年8月現在、首都圏の企業を中心に14社がサテライトオフィス契約をし、ワーケーションや研修などでKITENを活用しています。
KITENという“場”を通して、自治体や地元事業者と企業を繋げ、調整や現場支援などのサポートを実施。
その取り組みの一つに、JALPAKと連携して開催したBSP(ビジネスソリューションパッケージ)があります。KITENは事業者・行政とのハブとなり、3日間で延べ100人が参加する研修型ワーケーションを成功させました。
③気軽に相談できる場として移住検討者を後押し。年間14名の移住に貢献
KITEN内にある移住相談窓口では、スタッフや利用者の多くが移住者であるという特徴を活かし、移住のリアルな声が聞ける環境を整備しました。
24年度は20代から40代の移住相談が増えたことを受け、SNSでの発信を強化したほか、移住体験住宅滞在者への個別カウンセリングなどフェーズに合わせた支援を実施。
ときには、スタッフ以外の移住者紹介やイベント実施を通して移住希望者と移住者がコミュニケーションを取ることができます。
これらの取り組みを行った結果、24年度は146件の移住相談から14名の移住が決定しました。
今後の展望
KITENがオープンして2年が経ち、GIVE/WANTのマッチングやワーケーション誘致などの取り組みを行った結果、利用者数や移住相談件数は増加しつつあります。
今後は、KITENを起点に、KITENが位置する「みどりの村」一帯を地域の実践・学びのフィールドと位置づけ、コワーキング施設としての機能を“案内所”から“体験の入口”へと進化させていきます。教育機関や企業との連携を深め、多様な滞在スタイルの受け入れを視野に入れた仕組みづくりの推進を目指してまいります。
※この記事は2025年08月時点の情報です。
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