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【宮城県加美町】事業レポート 2024年1月 <中学校・高校>探究学習発表会!

2022年8月からスタートした宮城県加美町拠点では、これまで町唯一の高校『中新田高校』の探究学習・生徒募集、令和5年度より統合し新設された『鳴峰中学校』の探究学習のアップデートに取り組んできました。

加美町をもっと良くしたい!想いをこめたまちへの提言発表会を開催しました!

12月19日に中学校3年生、1月24日に高校2年生が総合的な学習の時間と地域創造学の今年度の集大成となる発表会を行いました!

授業で大事にしてきたこと<中学校>

中学3年生は町長になったつもりで、経済的なくくりもなく自由な発想で加美町に何があったらワクワクするかに焦点をおいた発表を行いました。中3生の終盤という受験真っ盛りな時期ではありましたが、今までにない「町長の視点をもってまちを考える」ことに対し、「ワクワクをもって」「多くの人に良い影響力のあるプロジェクトを」2点に注力しました。

授業で大事にしてきたこと<高校>

高校生は役場の各担当者から受けたミッションに対し、小さなアクションと検証を繰り返しながらまちに対する提言というかたちで発表会を実施しました。ミッションは以下の5つを加美町役場の各担当者より受けることになりました。

・「食」を通じたまちの活性化
・移住定住促進
・中新田高等学校の魅力化
・町立図書館(小野田図書館)の若者利用者促進・利用者増
・『大崎耕土』の認知度向上(世界農業遺産)

 「食」を通じたまちの活性化に取り組んだ班は、役場の担当者よりミッションの背景を丁寧にお聞きした後、まず加美町の独自のゆるきゃら「かみ〜ご」を用いたお土産品の開発に注目しました。そこで挙がった案は「かみ〜ご」の焼印を制作し、まちのお菓子屋さんの売り出し商品に押してもらい、販売する。また、町内の認知度やまち独自の食への好感度をアップするべく、幼・小・中学校の給食でも焼印を取り入れたデザートの提供をしていただくというアイデアを考案しました。そのアイデアは残念ながら生徒たちがご依頼したお店では取り扱うことが厳しいというフィードバックをいただき、焼印の製造にもお金と時間がかかるので断念。第二の案として、「かみ〜ご」の認知度があがらないことにはお土産にしても売れないのでは?という疑問から、「かみ〜ご」の顔をチョコペンでお絵描きすることのできるクッキーを、加美町で製造された米粉を活用して開発・販売しながらX(旧ツイッター)の「ハッシュタグイベント」を実施し、「かみ〜ごクッキーコンテスト」を行い、まずは町内の子どもたち向けにキャラクターへ親しみをもってもらい、SNSを通じて拡散させていくという案を考えました。

上記したのはほんの一例ですが、それぞれの班で自分たちではなしえない部分を町内の企業さまにお電話でお話を聞いたり、進める過程で挙がった課題と真っ直ぐに向き合い、うまくいかなくても諦めず、小さなことを一つひとつやり切ることを大切に取り組みました。

どんな効果があったか?

中学校の発表会では、町長の出席があり、各班(12月の発表会で16チームから6チームに絞られた代表)の発表に対して丁寧な激励のコメントを受けることができました。中学生らしい自由な発想と金額や他地域での実践を加美町型に落としたアイデアは、新しい中学校にふさわしい挑戦機会を生み出していました。

発表を聞いた生徒の感想から:

・ワクワクしながらも現実的なことまで考えられていていいと思った。
・(「交通手段を増やそう」というテーマの発表に対して)電車を通すことのメリットが明確だった。実際に西古川から東大崎までの路線はほしいと思ったし、あればそれなりの需要はあるのではないかと思う。

高校では、担当した先生方や私たちコーディネーターから、生徒に対してこれまで取り組んだことのないことにも機会を逃さず小さなことから取り組めるよう、「挑戦機会」をより多く生み出すように疑問や質問を問いかけながら伴走してきました。小さなことからではありますが、これまでほとんど経験のなかった、大人との電話・メールでのやり取り、これまでに関わりをもった事業者への協力依頼や訪問、実際の案の制作等を行い、プロジェクトに前向きに取り組むのはもちろんのこと、社会に出ることを目前に、社会人スキルも身につけることができました。

発表した生徒のふりかえりから:

・(この授業で最も成長したことは)これをやりたいと思うものがあったとしてそれはどのように町に貢献するのか、現実的には実施出来るのかまで考えることができた。
・(今回身についたスキルは)日常生活で課題が出たときにその課題について改善点をたくさん出して課題を解決していけると思った。
・(身についたスキルを生かして今後)人と交流できる場を作る。
・実際に行動してみることが大事なんだなとこの活動で学ぶことができた。

今後の取り組みに向けて

今回は中・高の両方で「自分たちのまちをもっとよくするには?」という観点でプロジェクトに取り組んできました。地域の方々との関わりやそれぞれの体験、これまでにはないスキルが身につき、それぞれ次のステージに向かおうとしています。

現在、次年度のカリキュラムの相談の真っ最中。これからも「探究し続けるまち、加美町」の子どもたちの「挑戦機会を最大化」すべく、加美町の教育をまちのみなさんと共創して参ります!