小高 樹(Kodaka Itsuki)
観光事業部/海士町
1996年2月1日生まれ。東京都江東区出身。成城大学法学部を卒業後、飲食チェーンに入社。店舗運営業務に従事。その後合併により、株式会社木曽路に入社。2024年2月にFoundingBaseに入社し、島根県隠岐郡海士町のグランピング施設、TADAYOIの運営に携わる。
幼少期〜学生時代
父母共に仕事で家を空けることが多く、幼少期は母方の祖母に面倒を見てもらったことを覚えています。子供のころの性格は人見知りで争いが嫌いな平和主義者、まあ、どこにでもいるような子供でした。ただ、そんな凡庸な性格が良かったのか、誰とでも仲良くできました。
小学生高学年になると親の方針もあり、中学受験に挑みました。第3志望あたりに合格というなんとも言えない結果に終わりましたが、第1志望に合格できなかったという挫折と一応志望校に合格できたという成功を一度に味わうお得な体験を小学生のうちにできました。
中学では剣道部に所属。中高一貫校だったので、高校生の厳つい剃り込みを入れた先輩に扱かれましたが、なんとか3年間ついて行くことができました。勉強もスポーツも平均、特に尖った性格でもなかったので、どんな同級生・先生とも仲良くできました。
高校に進学した頃、新潟に居た父方の祖父母が東京に引っ越してきました。
新潟の医療体制では限界があったため、やむを得ないことですが、引っ越してきたあたりから認知症と老化が一気に進みました。長く住んだ故郷を離れるということは相当な負荷があったのだと思われます。
また、この頃東日本大震災があり、クラスで福島の子どものために勉強スペースを作るというプロジェクトが立ち上がりました。寄付も集まり、実際完成しましたが、活用はされず、物置となってしまいました。この時憤っている人もいましたが、当時の被災地の方の状況を考えると、その使い方が必要だったのかもしれませんし、配置や時期まで深く考えなかったこちらが悪いと、いい勉強になりました。
その後、成城大学法学部に進学。将来何をするか、この時期明確に決まっているわけではなかったので、幅広く色々な学問に関われる法学部を選んだのですが、この狙いは良かったと思っています。地方行政の講義でほとんどの自治体が地方交付税交付金を受け取らなければ運営ができず、また医療や教育が十分に行き届いていない場所もあるという現状を知ることができました。
またサークル活動の中で国会議員の方と関わることがあり、自民党本部を見学ささせてもらったり、政治の裏話を聞いたり、元総理がいる飲み会に参加させてもらえたりと貴重な経験をしました。この時、総理やら大臣やらと言っても、いざ話してみると自慢が好きな普通のおじさんだなと、生意気にも感じたことを覚えています。
ちなみに余談ですが、中学と高校は男子校でした。なので大学1年生の間は女性との会話が全くできず、非常に苦労をしました。そんな現状を変えるため、アルバイトはあえて結婚式場での接客にしました。最初は全くうまくいかず、すぐに辞めるだろうと周りからは思われていたようですが、ここで逃げたら一生不幸になるという覚悟で、仕事を続け、最後はリーダー的な役割を任せられるまでに成長し、接客業を好きになることもできました。
初めての就職
大学卒業後は大将軍(合併前)という会社に入社しました。大将軍は千葉県に多く展開する成長中の焼き肉チェーンでした。千葉県産の物を多く使い、地域に根付いて営業しているスタイルに将来性を感じ、またアルバイトで接客業に興味が出ていたこともあって、就職しましたが、最初は飲食特有のハードさに圧倒されていました。その後少しずつ慣れていき、自分なりのポジションを確立し、評価もされるようになってきたころ、コロナという危機が訪れました。出店計画は全て取り下げ、全店休業、時短営業も余儀なくされましたが、なんとか地域での信頼もあり持ち堪えました。しかし、今まで通りとはいかず、大企業木曽路に吸収合併されることとなりました。合併後は環境ややり方が大きく変わりました。衛生面、労働面に関してはかなり厳しくなり、自分も合わせて行かねければ、淘汰されてしまう状況でした。
FoundingBaseへ転職
大企業による吸収合併という環境の変化が自分を一歩成長させてくれたように感じます。その後更なる成長を目指し、経験を活かしつつ他業種に挑んでみたいという欲求が生まれました。その後、転職活動で様々な会社を見た結果、祖父母が都会移住を余儀なくされたこと、大学の地方行政の講義に興味を持ったこと、地産地消に将来性を感じたことなどが重なり、FoundingBaseに入社したいと思いました。
未来に向けて
10年以上前に比べ、地方移住のハードルはかなり下がっているように感じます。現在、離島に住んでいますが、アマゾンや宅急便は本州と変わらないスピードで届きますし、インターネットが発達したおかげで情報弱者になることもありません。でも、都会の人口は増え続け、地方の過疎化が進んでしまっているのも事実です。このままの状態では農村は荒廃し、地方で生きていくという選択肢が消えてしまうかもしれません。
私は数ヶ月前まで、日本の社会問題を解決できる仕事になんて縁がないと思っていました。
それが、この会社では実現できると感じ大きな決断でしたが、自分を試してみたくなりました。
いつかFoundingBaseが、困っている自治体が真っ先に頼る代名詞のような会社になればいいと思っています。