福島県国見町で中学生向け公営塾「放課後塾ハル」が始動します。
東北・福島県に位置する国見町拠点ではこれまで3年間にわたり、教育・観光の分野で活動してきました。学びのある短期ツアー「国見ホイスコーレ」や、教育TEAMマネージャーの新免琢弥による、中高生向けの出張授業など、自治体と深く連携し、さまざまなコトを創ってきました。
新たな挑戦を始めます!
そして2021年度より、中学生向けの公営塾「放課後塾 ハル」を立ち上げることを決めました。
今、私は卒業式を迎えた。
春からは町外の高校への進学が決まっている。
中学入学の時には、こんな進路を取るなんて思ってもみなかった。
勉強して部活して、学校生活を楽しんで、高校に行く予定だった。
そんな3年間ではなかった。思っていた中学校生活はどこにもなかった。
本気で学ぶことの苦しさを知った。
誰かと協力して何かを作り上げる苦労を知った。
誰かに喜んでもらう難しさを知った。当たり前が当たり前じゃないことを痛感した。
でも、その先で同じくらいの喜びを知った。
何かを知ったり分かるようになる楽しさを知った。もっといろんなことを学んでみたいと思った。
友達と一緒に作り上げたときの達成感を味わった。もっとたくさんの人と一緒にやってみたいと思った。
地域の人たちに喜んでもらう嬉しさといつもそばにいてくれる町の大人の凄さを感じた。もっと喜んでもらったり恩返ししたいと思った。
挑戦しつづければ、新しい世界が拓けていく。そして新しい自分になれることを確信している。
私はこれからも一歩を踏み出していきたい。そして地域の大人たちを心から誇りに思う。
私はこの3年間で、自分が大好きになった。
高校では今以上に熱中したいものがある。
国見町という名前の由来は「国を見晴るかす町」という意味だと最近知った。
自分や地域の将来を見晴るかしながら、ワクワクする未来を私は創っていきたい。
「放課後塾ハル」
なぜやるのか
国見町は、福島県北部に位置する人口およそ9000人の町。教育分野に目を向けると、町内には公立小学校と中学校が1つずつで、高校以上の教育機関はありません。そのため、高校進学が、地域を離れるきっかけになる人が多い構造になっています。加えて、町内には大手の進学塾や、生徒たちが挑戦できるプロジェクトもほとんどありません。結果的に、進学を機に地域を離れ、将来的にも関わりを持たない人が多くなっているのが現状です。
そんな国見町において私たちは、教育事業のMISSION「地域が好きな人を育てる」を達成するために活動していきます。私たちの使命は、地域の中に学びの機会を創出して教育格差を是正するとともに、生徒の主体的な挑戦を生み、将来地域を背負って立つような存在を育成することです。私たちは、地道な取り組みの先に、新たな国見町を共に創っていけると信じています。
どのようにやるのか
私たちは、MISSION「地域を好きな人を育てる」の達成のため、コンセプト「トビラを拓く」に沿って、公営塾を運営していきます。
まず、生徒や家庭の負担を減らしつつ、生徒の進学時の選択肢を広げます。国見町内に、自治体公営の塾を作ることで、通塾のための時間・体力・経済的なハードルを押し下げます。同時に、生徒が望む環境で学ぶために必要な土台づくりも重視し、いわゆる「学力」を伸ばすための授業も行います。
次に、生徒の好奇心が育ち、人生をより愉しむきっかけを作ります。さまざまなテーマについて探究する対話型の授業を行います。未知の働き方や人生哲学を知ったり、既知の人や職業について新たな発見をしたり。生徒が社会に対して「面白い!」と思えるための、最初のステップを提供します。
最後に、現状から一歩踏み出す挑戦の場を作ります。国見町という地域内、そして地域外にある他拠点の生徒やスタッフとも連携しながら、課題解決ややりたいことの実現を目指すプロジェクトを実施していきます。他の人と共に実現していく楽しさと、積極的に挑戦することで豊かな人生を歩む人を増やすことを目指します。
最後に
私たちの公営塾立ち上げの舞台は、これからの国見町の文化を象徴する場所。まちづくりに携わる企業「家守舎桃ノ音」が2年前にオープンした、学びの複合施設「Co-learning space アカリ」です。
地域の人が集うフリーラウンジや地元野菜を使った料理店が入居し、学びのあるイベントも多く実施しています。そして、これまで3年間を共にしてきた自治体・学校との協働も、これからの挑戦における大きな鍵です。国見町において、「地域が好きな人を育てる」ために。もっと能動的に人生を「愉しむ」人を増やすために。
国見町で、「放課後塾ハル」が始動します。