平石 慶太(Hiraishi Keita)
教育事業部 / 大子町
1989年生まれ。神奈川県出身。専修大学大学院を修了後、新卒で大塚商会に就職。その後教育への道を志し、栄光ゼミナールで塾の現場に携わり2023年にFoundingBaseへ。現在茨城県大子町に移住し、高校魅力化コーディネーターとして従事。高校教育の現場と大子町を掛け合わせた新しい学びへ挑戦している。
人に恵まれてきた人生
厳格な父、いつも優しい母の元に育った私は父に怒られないようピッタリ母にくっつく。そんな甘えん坊な性格でした。とにかく躾に厳しかった父は長男ということもあり、厳しく接していたのかもしれません。自分の行動で人にどのようなことが起こるのか。先を見て行動しろ。父の教えは多くありますが、どの言葉も今の自分をつくっているような気がします。その反面、常に父の機嫌を顔色で伺っていたのか人の顔色ばかりを見てしまう。他人を慮るあまり、自分を出せない瞬間も多々ありました。
人生を振り返ると私は運が良かったように思えます。その中でも大きいのは人との巡り合わせです。学校の先生には非常に恵まれてきました。歴代の担任の先生の名前や顔はもちろん覚えていますし、何か悩み事があれば常に先生を頼ってきました。大人と話すことがなんとなく楽で、気持ちをわかってもらえたような気がします。友人にも恵まれ、小中高、大学、社会人とさまざまなバックボーンを持っている方々に多くのことを教えてもらいました。
想いをカタチにすること
前述にあった友人の話をひとつ。私には小学生の頃から関わりをもつ、幼馴染たちがいます。ただの腐れ縁、という訳ではなく苦楽を共にした戦友の方がしっくり来るかもしれません。皆さんは2004年に起こった新潟中越地震を覚えていますか?当時中学生だった私は遠い地で起こった災害が自分ごとではなく、大変そうだなぁと思っていただけでした。そんな時、のちの恩師の教頭先生から私を含めた友人何名かが集められ、現地に向けて何かできることはないか一緒に考えないかと誘われました。まずは知ることからはじまり、悲惨な現地の状況。ちっぽけな自分達でもできることはないかを必死に考え、全校生徒を巻き込んで励ましの手紙を送ることにしました。以降、その友人たちが幼馴染となり、共に中高生で活動するボランティア団体を立ち上げます。UNESCOの地域団体青年部として福祉活動、環境整備、中学生対象のワークショップ、東日本大震災における被災地域でのボランティア、カンボジアスタディツアーなど。どのような「想い」でこの企画をするのか。1から立ち上げた団体ですので全てが試行錯誤。共に乗り越えた幼馴染たちは宝物ですし、その原体験が今の自分に繋がっている気がします。
将来の選択 何がしたいのか
そんな経験があったからこそ、先生という教育の現場を志します。高校生の私は人を動かす「言葉」に興味があり、文学部を志望し日本語について深めたのち高校の先生になりたいと思っていました。そこで父の猛反対。「潰しが利かないから。」と大揉めし、大いに悩みました。幸いにも文化祭で飲食店を運営する中で「お金を稼ぐ」という実学にも興味があり、熟考した上で経営学の道に進みます。結果的に大学院まで進んでしまうのですから父の考えが正しかったのかもしれません(笑)卒業後は、大塚商会に入社し営業職として新人賞などをいただくことができました。日々お客様と向き合うなかで燻っていた想い。それは教育への道でした。社会を動かす、人材を育てることができないか。子どもの成長に自分の経験を役立たせることはできないか。燻っていた想いをカタチに、塾の道へと舵を切りました。栄光ゼミナールという塾の現場では合格に向けて多くの子どもたちと関わりを持たせてもらいました。フィールドは違えど国語の先生として子どもの成長に寄与できること。子どもたちの「わかった!」や「できる!」それは私にとって何よりも喜びで夢が叶ったように思えました。
FoundingBaseで実現したいこと
公教育、私教育、社会。多くのフィールドに携わってきたからこそ、子どもたちの成長は今後の日本の未来を大きく左右し、教育の役割もそれだけ重要になっていくと痛感しています。学校の勉強をもっと楽しく、社会と結びつけられないか。子どもたちが輝く瞬間をもっとつくれないか。学校に収まらない自由な学びの原体験をさせられないか。そんな想いを実現できると感じたのがFoundingBaseです。面接を通じて多くのFoundingBaseの人と話し、それぞれの人生や想いを仕事に落とし込み、イキイキと話される様子に感銘を受けました。自分もその一員として活躍したい。地方という舞台でそこでしか成し得ない、原体験を通じて未来を共に切り拓いていこうと思います。
学びが多様化している反面、旧来の受験での合格も重要視される昨今。子どもたちには多くの選択肢がある一方、選びきれないもしくは知らずに大人になっていく現状も見受けられます。子ども時代に得た経験はかけがえのないものであり、そこには運に左右される出会いも必要です。出会いの場を提供し、さまざまなバックボーンを持つメンバーとFoundingBaseの教育の在り方を探っていきたい。その想いがさまざま地域に波及し、多くの子どもたちの笑顔と未来をつくること。それが今の私が描きたい未来です。