"暮らしに根付いた物語を、食卓に。地域から「美味しい時間」を届けます" 地域商社まるごと津和野の取り組みを紹介します。
「地域の生業を未来に繋ぐ」地域商社まるごと津和野を設立。
津和野町は、町の約90%を森林が占め、水質日本一に何度も輝いたことのある、清流高津川が流れる町。この町は、島根わさびや笹山の里芋、つわの栗など、県外にも広く知れ渡る素材をいくつも生産している、まさに食材の宝庫。
一方で就農者の後継者不足やそれにともなう津和野産品の販売力・ブランド力の低下が課題となっています。農林水産業といった地域の生業を未来に繋げようと、町は農商工連携プロジェクトを立ち上げました。その事業の一貫として2019年4月に地域商社まるごと津和野は立ち上がりました。
地域商社では都市部でのファンづくりイベントやマルシェ出店などを行いながら、地域と消費者をつなぐ定期宅配サービスやオンラインストア「まるごと津和野ストア」での農林水産物(生鮮・加工食品、飲料等)の企画販売・PR、「まるごと津和野made」での津和野ブランド商品開発・企画を行っています。
今回は、そんな地域で育った美味しい野菜・珍しい食材をより多くの方に新鮮なままお届けして、食卓を豊かにしたい。少量多品目で丁寧に育てられた美味しい野菜を農家さんの顔が見える関係で届けたいという思いから始まった「まるごと津和野定期便」 について紹介します。
こだわりが欲しいあなたへ届ける、地域と繋がる‘まるごと津和野定期便
まるごと津和野定期便、そのコンセプトは「津和野のいいものまるごと全部」。
季節ごとの旬の食材だけでなく、食材・地域の文化・農家さんの想いも合わせてお届け。ただ野菜を食べるためではなく、生産者さんや津和野の暮らしを知ることで、食材の背景を想像しながら豊かな食卓の時間を楽しんでもらうため、毎回セット内容を試行錯誤しながら工夫を凝らしています。
また、野菜だけではなく津和野ならではの一品をセットにして、農家さんの紹介やレシピ、津和野の季節のお便りなどと共に暮らしに合わせて3つのコースで提供しています。
~気軽に味わう~津和野体験コース
お野菜4~5種類程度、調味料等が入っています。一人暮らしにも便利。
~季節を添える~津和野ファンコース
お野菜6~7種類程度、調味料等が入っています。お家ごはんを大事にしたい方に。
~食卓を彩る~津和野まるごとコース
お野菜8~9種類程度、調味料等が入っています。みんなで美味しく食べたいファミリーに。
(※詳しい料金や、お得情報についてはオンラインストアをご参照ください。)
定期便を運営している地域商社事業を担うのは、思いを持って津和野町に移住した若者たち
地域商社ではまるごと津和野定期便のサービスを昨年6月に開始しました。農家さんと都心の消費者の橋渡しとなる運営を担うのは「津和野の美味しさや農家さんのこだわりを都市部に届けたい」と思いを持って運営を担う20代の若手メンバーです。
坂和貴之:
1990年生まれ、東京都出身。
(株)FoundingBase Community Manage / まるごと津和野責任者(写真左)「津和野は古くから多くの人材を輩出しており、日本のいちごの生みの親である福羽逸人さんもその一人です。現代の津和野にも地域で誇りを持って生業を営む人がおり、そうした地域の人こそが資産だと思っています。」
白井博規:
1993年生まれ、兵庫県出身。津和野町地域おこし協力隊員(写真中央)
「津和野町においても若い移住者の新規就農者が多く見られます。しかしながら、高齢化に伴い地方の消費力は減衰の一途を辿っており、多くの地域が抱える現代の状況に即した生産から流通の課題に対して、都市部の消費者との直接の販路をつくり、課題解決への一つの道しるべとなれればと考えております。」
上田裕貴:
1993年生まれ、大阪府出身。津和野町地域おこし協力隊員(写真右)
「僕は毎日、津和野町の野菜を食べています。一緒に畑に寄れば農家さんが採れたての野菜を食べさせてくれます。野菜の収穫時期や食べ方、たわいもない世間話をしながら、縁側で一緒に食べる野菜が格別です。そんな野菜が多くの人に届くことにより、津和野町の農業がより発展し、津和野町の文化や風土、自然資源を守り、本当に美味しい物を作る農家さんを少しでも増やしていきたいと思います。」
好きになってくれる人に顔が見える関係で野菜を届けていきたい
町内には、今も250人以上の農家さんがいます。また新規就農者としてIターンで入ってくる方も少なくありません。そんな彼らが取り組むのは、少ない量ながらも多くの品目をつくる農業スタイル。
「多くの人に、大量に」売るのではなく、「津和野や野菜を育ててくれている農家さんを好きになってくれる人に、何度も」届けることで食卓を豊かにしたい、という想いがあります。
「地域商社まるごと津和野」ではこれからも様々なトライアンドエラーをしながら地域の未来を自分たちの手でつくっていけるよう、一歩一歩進んでいきます。