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kii+卒塾生物語(伊野家 朱智)

岡山県吉備中央町で運営している町営塾kii+(キート)の卒業生インタビューをお届けしてまいります。

伊野家 朱智(kii+1期卒塾生)/ 現 岡山大学 法学部
kii+開塾期に通塾していた1期生にお話をお聞きしました。立ち上げ当初の様子や、勉強に真剣に向き合った半年間、大学に進学した今の気持ちなどについてお話してもらいました。

▶ 吉備中央町とは?

▶ 自分の「好き」をとことん探究する日々

小さい頃から本が大好きだった朱智さん。いつも本を介して様々な世界にふれたり、誰かの一生を辿ったりしていました。
朱智さんは、本から新しい知識を得てそこで終わり、ではありません。その知識をネットでさらに深掘りしたり、今度はそのことに関する本を漁ったり、と自分が好きなものをとことん探究していたと言います。自分の考えをまとめたり、答えのない問いを突き詰めることが特に好きだったそうです。

▶ 自分の「好き」を語り合える仲間の存在

朱智さんが中学3年生の夏、町営塾kii+が創設されました。中学生活最後の年であり、受験にむけて頑張ろうとしていた朱智さんにとって、学校以外の場所で「勉強をみてくれる場所」の存在はとても大きかったと言います。

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しかし、朱智さんがkii+で得たものは「勉強ができる環境」だけではありませんでした。町内で生まれ育ってきた朱智さんにとって、全国各地から引っ越してきたkii+スタッフとの出会いはとても新鮮で刺激的なものでした。当時kii+で働いていたスタッフの口から語られる「宝塚歌劇団」「宇宙」「数学」の話は、朱智さんが今まで触れてきた世界とは異なりました。しかし、彼らの「好き」に対する情熱はとても高く、そんな彼らの姿勢に多くの刺激を受けたそう。
今まで1人で「好き」を追求してきたけれど、私も誰かに自分の好きなものを発信したい。誰かと語り合いたい。と思った朱智さんは、次第に学びのフィールドを自分の内から外に広げ始めるのでした。
自分よりも遥かに多くの知識をもっているスタッフと話をし、様々な話や雑学を常に投げてくれるkii+スタッフの存在をみて、自分にもまだまだ追求できることがある、と考えました。
しかし、朱智さんは、kii+スタッフと語り合ったり、受験勉強を進めながら自分の「好き」を他者とより突き詰めている一方で、苦手な数学や英語の長文読解を克服できないままの自分がいることに気がつきました。

▶ 苦手なことから逃げずに向き合ったからこそ得られた自信

苦手なことを克服できないまま受験に向かっていた朱智さんに、あるスタッフの言葉が刺さりました。
「人間は0から何かを生み出すのは難しくて、今、この世に存在する多くのものは、何かと何かのかけ合わせでできている。今あるものからつくっていくしかないんだよ。だから、知っているものを増やすことは大事あなんだよね。」
一緒に「好き」について語り合い、信用をおいていたスタッフにかけられた言葉だからこそ、当時の朱智さんに響いたのだろうと思います。この一言をきっかけに、朱智さんは苦手な数学の図形の問題や、英語の長文読解に積極的に取り組むようになりました。そんな朱智さんにとことん付き合ってくれたkii+スタッフの姿が今でも鮮明に覚えていると笑顔でお話してくれました。
kii+が創設されるまで、1人でとことん「好き」を追求していた朱智さん。kii+に通い始め、多様なバックグラウンドをもったスタッフとの出会いを通して、他者と一緒に学ぶことの楽しさを実感できました。「1人で「好き」なことを追求するのも楽しいけど、同級生やスタッフと一緒に学んでいくことはもっと楽しい。」朱智さんはそう語ってくれました。

▶ 最後に

今年の4月から、朱智さんは県内の岡山大学に進学しました。2学期いっぱいオンラインで行うことが確定しているため、残念ながらいまだに同級生に会うことはできていません。まだ見ぬ仲間との出会いを心待ちにしながら、日々のオンライン授業に取り組んでいるそうです。
好きなことをとことん突き詰めていくだけでなく、一緒に学ぶ仲間をつくったり、苦手なことに自分から果敢に取り組んでいこうとする彼女を私たちは応援し続けます。

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