中川 巴那(Nakagawa Hana)
教育事業部 / 美祢市
2000年生まれ。山口県岩国市出身。山口大学国際総合科学部卒。
大学1年次のフィリピン研修をきっかけに進路選択に関わりたいと考えるようになる。
卒業後は、株式会社進研アドに入社。高等教育機関の広報支援を行う。
その後、2024年11月にFoundingBaseにジョイン。
山口県美祢市にて、主に高校生対象の公設塾スタッフとして活動中。
教育関係の仕事に就きたいと思ったきっかけ
小学4年生の時に地元の学習塾に入りました。そこで出会った英語の先生のおかげで、私の人生で関わる人も考え方も大きく変わったと思います。
先生の授業はとても面白く、英語をほとんど学んだことのない私でもするすると頭に入ってきました。また、好成績を残すと絶対に褒める、年賀状も欠かさず全員に出す、など常に生徒に寄り添ってくれる人でした。
受験生になると、地元の高校ではなくお隣広島県の高校を勧められました。絶対に合格する必勝法を見つけた!という言葉を信じ、先生の言う通りに重点科目に絞って勉強することに。
結果は無事合格。先生のおかげで一歩踏み出すことができました。
そして将来は、先生みたいに人にわかりやすく勉強を教えたい!でも学習塾より学校の先生の方が給料が安定していそう!と安易に考え、学校の英語の先生を目指すようになりました。
学校の先生になることが自分にとって正なのか
ただ、高校生活を送る中で果たして学校の先生になることが自分にとって一番いい進路選択なのか疑問を持つようになります。学校の先生になってしまうと、学生時代から退職するまで一生学校という世界に通い続けることになってしまう。それってかなり窮屈なんじゃないかと。
今思えば、そう感じた理由の一つに当時高校に来ていた教育実習生の影響があると思います。元々青年海外協力隊として活動している人、民間企業での就業経験がある人などがいました。大学卒業後ストレートで教員を目指さないパターンがあることを初めて知ったのです。
そのため大学の学部選びをする時、教育学部ではなく、今興味があることを優先し、国際系の学部に行くことに決めました。
フィリピンの子どもたちが教えてくれたこと
大学生になってからは、少しでも興味があることは全部やる!という勢いで様々な体験をしました。一番印象に残っていることはフィリピンでの語学研修です。
現地の子どもたちに、日本文化を体験してもらう機会がありました。企画の中で現地の子が一番喜んでくれたのは、日本文化なんて関係のない文房具を渡した時。その場にいた全員が、お菓子をあげた時よりも100倍くらい喜んでいました。ある子は、「自分の周りには病気の人が多いから、たくさん勉強して将来はお医者さんになりたいんだ」と、文房具を持って嬉しそうに夢を語ってくれました。
この光景を見て、驚きと同時に恥を覚えました。私は勉強に存分に打ち込める環境にあるのに、真面目に取り組んでいなかったからです。ましてや自分中心で、周りの人のために仕事をしたい、など当時は全く考えていませんでした。
どうしたら、彼女のように夢を語ることができるのか。
一番の分岐点は高校生時代に、自身の進路について考える時間を設けるかどうかにある、と考えるようになりました。
自分の進路選択を振り返ると、反省点が多々あります。大学進学することに決めたものの、各大学や学部の特徴ではなく、場所や聞いたことのある大学名などの情報で、なんとなく選んでいたからです。また、自主的に調べようとせず塾の先生や親の意見を重視していました。
ただ、これは私に限った話ではないと思います。実際、大学の授業内容をよく調べないまま入学していた人を目の当たりにしたこともあります。
私の学部には「デザイン科学」という科目がありました。あくまでもデザイン思考を学ぶものであり、美術作品を制作するものではありません。しかし彼は科目名だけをみて、絵が好きだから美術について学べると考え入学を決めたそうです。少しHPやパンフレットで調べればそんなミスマッチは避けることができたのに...
就活のタイミングで、そんな「なんとなくの進路選択」を防ぐような仕事に就きたいと考えるようになりました。そして高等教育機関の広報支援をしている会社の存在を知りました。ここでなら、昔からの夢である教育関係の仕事ができ、多くの高校生の進路選択に貢献できると考え、入社を決めました。
衝撃の大学進学率
入社後は、広島県の拠点で中国地方の大学さんの営業担当になりました。関わっていただいた社内外の方々には本当に感謝しています。
多様な大学に出会い、また、中国地方の実情を知ることができました。
なんと、地元山口県の大学進学率が県別ワースト2位だったのです。確かに私の親戚にも大学進学者はほとんどいないし、工業が発達しているので高卒の人が多いイメージはありましたが、まさかワースト2位とは...
私自身も広島県の高校に行っていなければ、大学進学という選択を視野に入れていなかった可能性が高いと思います。周囲の環境は進路にも大きく影響を及ぼすと実感しました。
そして、地方の進路選択の幅を広げることに貢献したい、高校生と直接関わりたい、という気持ちの方が強くなりました。そんな時に偶然FoundingBaseに出会います。
地方に特化して事業を展開していること、学校教育とは違った角度からの学びを提供していること、直接生徒に関われることから、ここだ!と思い入社を決めました。
地方にも選択の機会を提供したい
私は、大学進学が必ずしもいいことだとは考えていません。また、選択肢が多いとかえって不幸ではないか、という意見に対しても強く反発するつもりはありません。
それでも、選択肢があることを全く知らずに、周りに言われた通りに将来を決めてしまうことは避けたい、進路選びのミスマッチをできるだけ無くしたいと考えています。
子どもたちに、よりよい未来が開けるよう真摯に向き合っていきたいです。