岡野 希春(Okano Kiharu)
スペース&ツアー事業部 /国見町
1995年生まれ。神奈川県出身。大学では産学官民連携をテーマにゼミ活動に励みながら、中学社会科の教員免許を取得。 「身の回りの困りごとを解決したい」「きっかけづくりをしたい」という想いを持ち、上場1年目の不動産会社にて中長期を見据えた新規事業・事業推進業務に従事。2020年6月より国見町に移住し、活動中。
「こうあるべき」の中で生きていた高校時代
学生時代は、先生から頼まれることもあり、学級委員長や生徒会、部活動などで先頭に立つことが多い生徒でした。
ただこの頃の自分に軸はなく、家から近い高校に行き、周りが大学受験するから自分も負けないようにと勉強する日々。目指していたのは、世間で良いと言われている大学、そして、誰しもが知っている会社。自分がどうしたいかではなく、こうあるべきに押しつけられ、自分の向かうべき方向性を探していました。
一歩踏み出すきっかけとなった大学生活
受験では、担任の薦めもあり、就職に強いという女子校を受験。結果は残念ながら縁がなく第一志望不合格。自分にとっては「良し」と言われることから解放された瞬間でした。だからこそ両親からのプレゼントでもある4年間を無駄にしたくないと強く思いました。
大学のゼミ活動では、フィールドワークで学べる環境を選び、大学付近の地域で産学官民連携をテーマに実践的に取り組みました。マルシェの運営や年4回ほど地元の商店街でイベントの企画・運営を中心になって実施。 地域に根差した関わり方を学びながら、町に必要な解決策を提示してきました。
また、大学公認のスポーツ新聞部に入り、大会遠征と合わせて場所を問わず旅をしたり、国際大会の取材をしたりと没頭していました。全国から集まる同世代の思いに触れた経験は今でも大きな財産になっています。
その他にも、社会科の教職課程を履修。学習塾運営のアルバイト、ウグイス嬢、巫女さん、女性起業家へのインタビュー、アントレプレナー教育の研究、学生団体でのイベント企画運営などを体験。
ただやみくもに手をつけるのではなく、一つの挑戦から次の出会いが生まれたりと、つながりを大切にしたことで数々の経験ができました。
「人は人と出会うことによってのみ変わることができる」
この言葉はお世話になった先生にかけていただいた言葉です。一歩踏み出したことで出会う人や得られる学びが多くあるんだということを実感した大学時代でした。
「頼まれごとは試されごと」様々な経験をした1社目
新卒では、世の中に価値を提供しているビジネスモデルを学びたい、という思いで、成長過程でベンチャー精神のある不動産企業に入社を決めました。
入社後は広報やIRを担当。中長期を見据えた業務に取り組む中で、これから先必要となる一手は何かを考えることをしてきました。「意図を汲み取りスピーディーにカタチにする」 ことをモットーに経営陣のサポートと事業戦略を実行。その他、社内外のイベント企画・運営の土台構築や、3年後5年後を見据えた事業の立ち上げ、事業推進に従事しました。
仕事以外にもいくつかのプロジェクトに参画。例えば、山梨県韮崎市にて【食育】と【自然】をテーマした社会人向けきっかけプロジェクトを主催し、ヨガや小中高の先生、都内で働いて疲れている人、地元食材を活かす料理人などが集まり、それぞれの強みを生かしながら対話し、時間を共有するイベントを実施しました。
「ローカルで生きる人生もありだと思った」
熱意を持って仕事に取り組みながらも、100年時代と言われる中で「自分の人生を自分らしくデザインするきっかけづくり」がしたい、という思いを持つようになりました。
そんな中出会ったのがFoundingBase。メンバーと話をしていると、お互いに生まれ育った場所や働いている環境は違うのにどこか共通言語が多く、不思議な感覚を持ちました。さらに会社の設立ストーリー、実際の現場の働き方、これから目指している未来像など様々な話を聞く中で、「『自由』をUpdateする」というFoundingBaseのミッション、「他の人や他のコトに由って今があり、未来が創られるのではなく、自らの意志に由って今があり、自らの意志が未来を創る」という考え方が深く刺さりました。
前職でもやりがいをもって働いていたし、数々の壁を乗り越えながら楽しく勤務していたのは事実です。ただ、FoundingBaseのメンバーとの面談を通して互いの価値観を共有する中で、志を共にできるこの人たちと働きたい。そう強く思うようになっていました。
これまで育った環境とは違う地域で生きてみるのもありかもしれない、という思いもあり、最終的にFoundingBaseへのジョインを決めました。
その地ならではの“まちづくり”
日々世の中が変化する中で、課題や困りごとに向き合い、国見町での事業をひとつひとつカタチにしようと奮闘する毎日です。
コロナ禍では、デンマークのフォルケホイスコーレを参考に、ローカル資源を活かしたユニークな"学び"の場づくりをオンラインコンテンツにして実施したり、町の一次産業を活かし、生産者の「おいしいモノづくりの背景に触れる」ためのイベントを行いました。
また、町の関係人口の課題を考える中で『間接的にでもいいから国見町と持続的な関わりを持ってもらいたい』という想いから、オンラインでもオフラインでも関われるオーナー制度をはじめました。
加えて2023年度からはふるさと納税の返礼品づくりやマイクロツーリズムの企画に関わるなど、一次産業と関係人口創出を軸に実施内容は多岐に渡ります。
事業とは「世の中の困りごとを解決すること」であり、好き勝手に事業展開をするのではなく、誰のために・何のために行うかを考え、地域の方々と協働しながらながら、まちづくりをしています。