【前編】2024年度 立命館大学×FoundingBase共同プログラム in四万十町 を実施しました!
高知県四万十町にて、立命館大学との共同プログラム「地域創生プログラム」を実施いたしました。3回目の開催となる今回。学生15名が四万十町に4泊5日滞在し、総勢30名を超える地域の様々な人たちと関わりながら町の課題解決に向けた取組を企画・提案しました。プログラム当日の様子をレポートします。
※ 昨年度の様子はこちら。
プログラムについて
本企画は、学⽣に学びと成⻑の機会を提供するために参加費⽤の⼀部を補助し、課外活動への参加を奨励する「立命館大学正課外プログラム助成金」の採択プログラムです。
「大学生活の中で何かに挑戦したい。でも何をやればいいかわからない。」そんな思いを抱える大学生に、一歩踏み出して行動するきっかけを提供することが本プログラムの目的です。
今年度は昨年度からのUpdateポイントとして、現地プログラム前に「OBOG座談会」と「オンラインプログラム」を実施し、参加者の裾野を広げることを目指しました。また、現地プログラムを通じて生まれた「やってみたい!」を実際に形にする「プロジェクト伴走支援」も組み込み、学びや成長を行動につなげるまでのサポート体制を強化しました。
四万十町について
現地プログラムを実施した高知県四万十町。FoundingBaseとしては町営塾「じゆうく。」の運営を中心とした教育事業を展開している拠点です。
プログラム開催地として四万十町を選んだ理由は大きく2つあります。1つ目は、四万十町は地域おこし協力隊の採用や移住・定住施策、起業・創業支援などに力を入れているため、将来のキャリアを考える大学生にとって多様な生き方や働き方に出会えるチャンスだと考えたからです。
2つ目は、県外大学生の視点から町の課題解決に向けたヒントを得られるのではないかと考えたからです。人口減少が進む四万十町における重要課題の1つは若い世代の地域への愛着形成や人材育成です。中学または高校卒業後に町外に出る10〜20代が多い四万十町において大学生世代との交流は貴重な機会です。町の課題について大学生とともに議論することで、新たな気付きが得られるのではないかと考えました。
1. 地域を知る
ここからは時系列に沿ってプログラム当日の様子をお伝えしていきます。
1日目はキックオフを行ない、2日目からプログラムが本格的にスタートしました。2日目の目標は実体験をもって四万十町を知ること。はじめに全員で四万十川を訪れました。底まで透き通る綺麗な川を目の前に、学生たちから感動の声が溢れます。学部・学年が異なる学生15名は全員が初対面。初日は多少の緊張感が漂っていましたが、四万十川の開放感に背中を押されて距離がグッと縮まりました。
その後はチームごとに町内3つのエリア(窪川・大正・十和)に分かれてフィールドワークへ。様々な人に話を聞き、町の特徴や魅力を探りました。
窪川チームは地域の方が営む飲食店や喫茶店を中心に訪問。地域おこし協力隊として四万十町に移住し、未経験ながらも居酒屋を1人で切り盛りする同世代の方にも出会い、生き方や働き方の選択肢が広がります。
大正チームは全国的にも珍しい「栗」の焼酎をつくる老舗の酒蔵や、移住者の方が営む地域密着型のゲストハウスなどを訪問。小さいながらも様々な個性溢れる人と店が集まる大正駅前エリアの魅力を肌で感じました。
十和チームは窪川から車で50分ほど西へ移動した山奥のエリアへ。地域の木材を使用して「四万十ヒノキサウナ」などの商品をつくる方に話を伺いました。鮎やとうもろこしなどをふるまっていただき、四万十町の自然の恵みを味わいました。
フィールドワークから帰ってきた学生たちは初日とは少し違う顔つき。休むことなく「こんな話を聞いた」「こんな発見があった」とお互いに感想や意見を言い合っていました。「休憩しなくて平気なの?」と思わず聞くと、学生からは「自分たちは外から来たただの学生なのに、地域の人たちが本当に温かく親切にしてくださって感動した。四万十町のために何かできることはないか、短い時間だけど一生懸命考えたい。」という言葉が返ってきました。
四万十町の自然や食を満喫するとともに、人の温かさに強く心を動かされたフィールドワーク。「四万十町の課題解決に向けて、残りの時間も皆で全力で取り組もう。」そんな一体感が生まれていきました。
2. 地域の課題を考える
2日目午後は町の課題について理解を深めるため、四万十町役場の方々に話を伺いました。少子高齢化・人口減少が進行する四万十町。その要因の1つが就職や進学時における若い世代の人口流出であることから、教育環境や起業・創業支援などを充実させ、若い世代が「住み続けたい」「また戻ってきて挑戦したい」などと感じられるようなまちづくりを目指しています。
おもに伺った話は「人材育成推進センター」が取り組む事業についてです。町内の高校生を対象とした通学等の助成金や「町営塾」の取り組み、また大人の起業・創業をサポートする「地域ビジネススタートアッププログラム」などについて、内容や現状、課題をご説明いただきました。
町の「リアル」な現状と課題を知り、課題は一筋縄では解決し得ないことを理解した学生たち。役場の方との意見交換を通じて様々な疑問や考えが生まれていきます。「若い子たちに地元に残ってもらうことは人口減少の食い止めになるのかもしれない。でも進学や就職で地元を離れて挑戦しようと考えるのは自然なこと。自分自身もそうだった。」「自分は地元に戻りたい気持ちがあるけど、やりたい仕事があるのかわからない。仕事の選択肢が少ないと感じているが四万十町の子どもたちもそうなのか?」
高校生だった数年前、就職活動に悩む現在。自分自身と重ね合わせた「学生ならでは」の視点で、後に控える高校生へのインタビューに向けて仮説を立てました。
夜。部活動終わりの高校生が町営塾に集まり始めました。窪川と大正の2つの教室に分かれ、高校生に話を聞く学生たち。四万十町には全国から生徒を募集する高校もあるため、地元出身ではない高校生にも話を聞くことができました。「四万十町は好き?」「高校を選んだ理由は?」「卒業後はどうする予定?」やや質問攻め状態になりつつも、学生たちの真剣な姿勢に応えるように、高校生たちも丁寧に質問に答えてくれました。
「四万十町が好き。卒業後は県外の大学に進学する予定だけど、四万十町に関わる機会がほしい。」「四万十町で就職しようと思っている。どんな仕事があるか、何をしたいかはわからない。なんとなく地元かなと思う。」など、高校生たちの本心が少しずつ明らかになっていきました。
後編に続きます。