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【後編】2024年度 立命館大学×FoundingBase共同プログラム in四万十町 を実施しました!

高知県四万十町にて、立命館大学との共同プログラム「地域創生プログラム」を実施いたしました。3回目の開催となる今回。学生15名が四万十町に4泊5日滞在し、総勢30名を超える地域の様々な人たちと関わりながら町の課題解決に向けた取組を企画・提案しました。プログラム当日の様子をレポートします。


前編はこちら。


3. チームで企画に挑戦する

3日目は丸一日かけて「若い世代の四万十町の捉え方を変える取り組み」を企画しました。3.4人ずつの4チームに分かれて話し合いを進めていきます。

「アウトプットファースト」を合言葉に、自信がなくても言葉がまとまらなくても、自分の意見や疑問を話し合いの場に出すことを大事に取り組みました。また、チーム内の話し合いのみに留まらず、スタッフや地域の方に繰り返しフィードバックをもらいながら企画内容を詰めていきました。

もう1つ、学生たちに心掛けてもらったことは、「正解」を探すのではなく自分たちが見聞きしたことや感じたことを大事にして考え抜くことです。それっぽいアイデアではなく、目的に対する課題を自分たちなりに根拠を持って設定することをリクエストしました。

話し合いを進める中で何度も壁にぶち当たる学生たち。思っていることを上手く言葉にできない、進んでいる方向に違和感があるが説明しきれない、思いついたアイデアに「なぜ?」を問われると答えられない、など。しかし、それらの壁も「アウトプットファースト」で乗り越えていきました。段々と各チームの発言量やスタッフへの相談回数が増えていくとともに、アイデアを出す人、抽象化してまとめる人、図や絵などのビジュアルイメージを作る人など、それぞれの強みを発揮してチームとしてのまとまりが生まれていきました。

4. 地域の方々へ提案する

夜遅くまで話し合いを続けた3日目を経て、4日目午後に四万十町役場の方々への提案を行ないました。以下、4チームの提案の概要を記載します。

【学生の提案内容】
A:町の高校生に「四万十町で働く」という選択肢を提供する
・目的:四万十町は好きなことを仕事にできる場所だと知ってもらう
・課題:高校生に町内で活躍する社会人との交流・体験の機会を提供
・具体策:職業体験ツアーの実施

B:町の中高生の視野と将来の選択肢を広げる
・目的:中高生の閉鎖的な価値観を脱し、視野とコミュニティを広げる
・課題:中高生に都会を知る機会や、知らない世界とつながる経験を提供
・具体策:東京の中高生とのZoom交流 / 東京と四万十の中高生の交換留学

C:大学生と四万十町をつなぐ
・目的:町を離れた大学生に、四万十町に再び戻ってきてもらう
・課題:卒業生をはじめとする大学生に、四万十町に訪れる機会を提供する
・具体策:焼酎銀行を活用した同窓会 / サークル合宿や研究での活用促進

D:高校生と卒業したOB・OGが一緒につくる、四万十町らしい「遊び」
・目的:四万十町と関わる方法として「住む」以外の選択肢を増やす
・課題:四万十町の自然や人との関わりを活かした「遊び」の機会を提供
・具体策:年に一度のイベントを高校生が運営し、OB・OGを招待する

「自分たちが四万十町で様々な人と関わり、熱意を持って楽しそうに仕事をしている人が多いことに驚いた。好きなことを仕事にできるチャンスがあることが四万十町の魅力なのではないか。そのことを中高生にもっと知ってもらいたい。」
「県外から来た高校生が、四万十町のことがとても好きで、卒業後に地元に戻ってからも何かしらの形で関わりたいと話していた。一方で、高校卒業後に町に関わる機会やアプローチが不足していると感じた。四万十町は栗焼酎が有名で焼酎銀行(お酒を預けられる施設)もある。大学生向けの同窓会イベントなどを町として行なうのはどうか。」


若い世代の四万十町の捉え方を変える取り組みについて、大学生ならではの目線や四万十町での実体験をもとに課題を設定して提案した学生たち。四万十町役場の方々からは「学生の提案内容、非常に良かった。自分たちでは気付かなかったことに気付かせてくれた。ぜひこれからの取り組みに活かしたい。」など、高い評価をいただくことができました。

プレゼン後も、学生と役場の方々との会話があちこちで繰り広げられました。役場の方から学生に「大学生向けの発信を考えているが、どのようなチャネルが有効だと思うか?」と意見を求めていたり、学生から役場の方へは「地方公務員に興味を持っているが、どんなやりがいや苦労がありますか?」などキャリアに関する相談をしていたりと、互いにとって有意義な交流の場が生まれました。

5. 学び・変化を振り返る

最終日。5日間での学びや自分自身の変化を1人1人発表してもらいました。
いくつかをご紹介します。

「アウトプットの大切さに気づいた。今までは自分の意見を伝えるのが得意じゃなく、周りに合わせてしまうことが多かった。しかしプログラムに参加して、自分の意見を伝えないと相手からのフィードバックももらえず、何にも始まらないんだなと思った。もっと今後は自分の意見を人に伝えていこうと思う。」
「挑戦する勇気とやり遂げる楽しさを肌で感じることができた。プログラムに参加したこと自体が自分にとっては大きな挑戦で、正直不安でいっぱいだったが、地域の方のサポートや沢山の尊敬できる友人たちと5日間を過ごせたことはとても貴重な体験だった。」
「人とのつながりの大切さを学んだ。四万十町でのフィールドワークを通して、自分の利益を顧みず他人に優しくすることは、巡り巡って社会全体の活性化につながり、自分自身にも返ってくるような気がした。地域社会におけるコミュニティの縮小が進む現代だからこそ、当たり前のようで忘れがちな人とのつながりの重要性を改めて実感した。」

自分の言葉で思い思いに語る学生たちの表情は、不安げだった初日とは違いイキイキと自信に満ち溢れていました。サークルや団体に所属しておらず、正課外の活動に参加すること自体が初めてという人も多い中、「何かきっかけがほしい」「自分を少しでも変えたい」と決意をして四万十町に来てくれた学生たち。5日間という短い時間の中で少しでも多くのことを吸収しようと一生懸命に取り組み、各々が自分の変化や成長を実感できてプログラムを終えられたことが非常によかったです。

おわりに

嬉しいことに、参加してくれた学生たちのうち何名かから「今回提案したことを実際に形にしてみたい!四万十町に対して何かしたい!」という声をもらいました。FoundingBaseとしても彼ら彼女らに伴走し、一緒に地域をより良くする取り組みができればと考えています。

引き続き「地域の価値を共創し、地域という選択肢を提供する」というVISIONのもと、まちづくり事業に取り組んでまいります。改めまして、今回のプログラムを共につくっていただいた立命館大学の方々、学生の皆さん、ご協力いただいた四万十町の方々、本当にありがとうございました!

※四万十ケーブルテレビ様にもご取材いただきました。(1年間限定公開)