人口減少や財源の制約など、地域を取り巻く課題は年々複雑化しています。

そうした中、限られたリソースの中でも事業を推進する手段として、外部人材の活用が全国の自治体で進んでいます。

なかでも注目されているのが「地域活性化起業人制度」。

三大都市圏などに所在する企業が自社の社員を地方自治体に一定期間派遣し、地方自治体が取り組む地域課題に対して、社員の専門的なノウ ハウや知見を活かしながら即戦力人材として業務に従事することで、地域活性化を図るこの制度は、自治体にとっても企業にとっても新しい共創のあり方として広がりを見せています。

FoundingBaseでは、これまで12の自治体へ地域活性化起業人として人材を派遣し、観光や教育、シティプロモーションなど多様な領域でまちづくりを支援してきました。

そのなかから今回は、4自治体の事例をご紹介します。

長野県喬木村(喬木みらいプロジェクト)

人口減少と関係人口創出の必要性を背景に、教育を村の重点戦略と位置づけていた喬木村。その中で、構想はあるものの具体的な推進体制がないという課題を抱えていました。

2024年4月に地域活性化起業人が着任し、初年度は村の中期計画や村有地の利活用プランを策定するなど、次年度以降につながる戦略づくりに取り組みました。
2025年度からは「喬木みらいプロジェクト」が始動。まちの魅力の言語化や喬木ブランドの構築・発信を通じた持続可能なむらづくりを目指し、村の未来を担う村民メンバーが集まった「美し郷デザイン室」で、共創施設のコンセプト設計やブランド構築を進めています。

今後は、建設中の共創施設の完成を見据え、教育の魅力化につながる体験コンテンツの開発など、ソフト施策の充実にも取り組んでいく予定です。

高知県東洋町(道の駅 東洋町)

2020年以降、運営が悪化していた海の駅東洋町(現・道の駅東洋町)。
町としても再建の必要性は感じていたものの、限られた予算と人員の中で対応が難しい状況にありました。
そこで、経営改善の実行力をもつ外部人材を求め、地域活性化起業人制度を活用しました。着任後は、売り場の魅力化やレストランメニューの刷新、スタッフ面談による課題の吸い上げといった組織改善からスタート。
一次産業の加工品の開発にも着手し、2年で赤字から黒字への転換に成功しました。
現在は道の駅東洋町を起点に、白浜キャンプ場の運営やふるさと納税、町営塾「うみいろ」など、地域資源を活かした複合的な事業を展開。
町内外の人が行き交い、交流が生まれる拠点づくりを通じて、白浜エリア全体の活性化をめざしています。

島根県海士町(TADAYOI 海士グランピング)

2013年、海士町のある隠岐諸島は、貴重な地質資源が評価されユネスコ世界ジオパークに認定されました。 
一方で町内には宿泊施設が少なく、自然を生かした体験や滞在の選択肢に課題を抱えていました。 関係人口や観光客が「滞在しにくい」状態を打破する必要がありました。 
そこでFoundingBaseは、新たな滞在拠点としてグランピング施設の開業を提案。
役場と協働で検討を重ね、2023年5月に「TADAYOI 海士グランピング」をオープンしました。

今後は、地元事業者との連携を深めながら、観光滞在の選択肢を増やすことによって、島の関係人口・交流人口の拡大を目指します。

北海道安平町(あびら教育プラン)

安平町は、教育を軸としたまちづくりを掲げていたものの、具体的な施策の設計や人材確保に課題がありました。
そこで2019年11月、地域活性化起業人としてFoundingBase代表・山本賢司が着任。

当初は、同年9月の胆振東部地震を受けた復興支援として、ボランティアセンターの運営を担っていました。
その後、地域内外の学びや挑戦をつなぐ「あびら教育プラン」の策定を通じて、教育の魅力化に着手。並行して、職員採用プロジェクトの立ち上げやインターンの受け入れ体制づくりなど、人材面の取り組みも進めました。

任期終了後も連携関係が続いており、現在も教育事業・シティプロモーション事業を展開しながら「日本一公教育のまち」を目指す取り組みを継続しています。

まとめ

人口減少や財源の制約といった課題を背景に、全国の自治体ではさまざまなまちづくり施策が模索されています。しかし、限られた人材・予算のなかで新たな挑戦を進めるには、実行力をもった外部人材の活用が不可欠な局面も少なくありません。

地域活性化起業人制度は、都市部の企業人材が持つ知見を自治体に還元し、持続可能な地域づくりを共創する仕組みです。

FoundingBaseでは、制度導入の検討段階から申請支援・実行・制度終了後の伴走までを一貫して支援し、全国各地で観光・教育・プロモーションなど多様な事業を展開しています。自治体職員の皆さまが抱える「やりたいが、動かせない」課題に対して、共に取り組むパートナーとして地域課題を解決していきます。

※この記事は2025年07月時点の情報です。


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