見出し画像

松岡 亮(Matsuoka Ryo)

Education Div.  Director  /  安平team
1989年生まれ。東京都出身。大学卒業後、東京都公立中学校の社会科教諭を経て、世界一周の旅へ。アジア、ヨーロッパ、アフリカ、南米を1年かけて旅をして、教科書では学べない世界のリアルを知る。その後株式会社FoundingBaseに入社し、北海道安平町で人々の挑戦を応援するカイタク事業(町民チャレンジ創出事業)や教育事業に取り組んでいる。

”空気”だった幼少時代。

「いやいや盛ってるでしょう。」

これは僕が昔の話をすると必ず返ってくるリアクションです。

当時の僕は、授業中に先生から当てられることがあると、頭が真っ白になって何も答えることができないのが当たり前でした。何なら友達と話すことも緊張するし、異性と話すなんて論外です。人と上手に話すことができないので、どんどん消極的になっていき、さらにどんな場においても人に迷惑をかけないように空気を読むことを追求した結果、ついには「空気を読む」ではなく「空気になる」という大技を体得したのです。

もちろん、当時の僕も一瞬ではありますが"自分を変えたい"と思った瞬間もありました。

例えば学校の昼休み。男子生徒の大半が校庭に出てサッカーをして遊んでいたのですが、そこに意を決して参加してみたのです。しかしながら、それは僕にとって「神々の遊び」。とりあえず目立たない自陣のゴール横で、こっそり待機することが精一杯でした。しかしながら、そこにボールが飛んできました。

「松岡、クリアしろー!」

そう神々から声をかけられた僕は、極度の緊張によって体を上手くコントロールすることができず、まさかのオウンゴールを決めてしまいました。

「おいおい、何やってんだよー」

神々が何の気なしに言ったそのセリフが僕の心に大きく刺さりました。

「あぁ、もう神々の遊びには参加するのは辞めよう。ちゃんと真っ当に空気として生きていくんだ。」そう固く誓ったのでした。

そこからの僕は妄想の世界で生きていくことにしました。いつも帰り道は「この世の悪霊を退治する風の精霊使い」として下校し、風の精霊「ウィンディ」と共にいつも悪霊を退治して町の平和を守っていたのです。

完全に中二病の極みですね。(笑)

このように、今でこそ笑って振り返ることができますが、当時の僕が抱えていた自分に対する嫌悪や息苦しさは、相当なものでした。

そんな僕が変わるきっかけは高校3年生の文化祭で訪れます。

唯一の友達が漫才をしようと僕を誘ってくれて、練習に練習を重ね、文化祭当日に披露したら大勢の人が笑ってくれたのです。

自分の行動によって誰かが笑顔になったという経験は自分に自信をくれるきっかけになりました。そこから僕は、お笑い芸人・・・ではなく、人前に立って子どもたちを笑顔にしたり、彼らが自分に自信を持つことができるようなきっかけを作りたい。そう思って、学校の教員を目指すようになりました。

目標だった教員時代の学びと苦労、そして葛藤。

大学卒業後、東京都の公立中学校の社会科教諭として働き始めます。しかしながら、希望に燃えて着任した中学校で大失敗を犯します。

端的に言うと、生徒にナメられまくってしまいました。

生徒は言うことを全くきかない、当然授業は上手くいかない、そもそも自分の授業が全然面白くない、他の業務も仕事が遅くて他の先生方に迷惑をかける・・・。

苦しくて、情けなくて、何度も何度も心が折れそうになりました。いや、ほぼ折れていました。部活指導が終わった後にコンビニに夜食を買いに行き、そのまま公園のベンチで久石譲のジブリオーケストラメドレーを鬼リピートしながら「何で生きているんだろう?」と呟いた日が何度もありました。

それでも、なぜか自分の中に諦めるという選択肢は出てきませんでした。

ここで諦めてしまったら、オウンゴールして昼休みの校庭サッカーに行けなくなったあの頃の自分から何も成長していない。そんな恐怖感があったのかもしれません。

あの頃見ることができなかったその先には、何があるんだろう。

出来ない情けない自分をきちんと受け入れて、そして自分にできることを少しずつ努力して、もがきながら何とか1年やってみよう。

そう思って1年頑張り続けて迎えた卒業式の日。

ある生徒たちが言ってくれたのです。

「先生が居てくれて本当によかった、ありがとう。」

この瞬間、生まれて初めて「自分にも生きる意味がある」と本気で思えたのです。この一言にどれだけ救われたことか。

スクリーンショット 2020-03-21 18.22.20

僕は子どもたちから生きる意味を教えてもらったのです。

これは決して大袈裟な話ではなく、僕が教員として過ごした6年間、大切なことは全て子どもたちから教えてもらったと思っています。一歩踏み出す勇気も、自分と向き合う強さも、努力して道を切り開く姿勢も、超えられない壁にもがき苦しむ大切さも、いつだって彼らの等身大の姿が僕に「生きるとはどういうことなのか?」という問いを突きつけるのです。今まで出会ってくれた全ての生徒に本当に感謝しています。

しかし、先生という仕事を続けていく自分の中に葛藤が生まれ始めました。

「学校は子どもにとって本当に学べる場所、そして楽しい場所なのだろうか?」

「そんな学校を少しでも前に進めるための力や視座が自分にあるのだろうか?」

学校や自分に対するモヤモヤを感じた時、僕は学校を離れることを決意しました。学校から離れて、もう一度「教育」に向き合ってみたい。

そう思ってたどり着いたのが、僕が今所属しているFoundingBaseでした。

FoundingBaseでの活動について

現在はFoundingBase代表の林(CCO)や他メンバーとともに、北海道の安平町に入って色々な活動に関わらせてもらっています。

震災によって使えなくなった早来中学校を新しく魅力的に再建するプロジェクト。

幼児や小学生に遊びを通じて様々な感性を育む「遊育」事業。

小中学生に探究的な学びを提供し、子どもの視野を広げて好奇心に火を付ける町営塾「あびらぼ」。

子どもから大人まで「挑戦する人を発掘・応援」して、町に変化をもたらすプレイヤーを育成する「カイタク」事業。

これら全てが連動し、学校教育と社会教育の両者が本当の意味で支え合う町になれば、そこに住む子どもたちも、保護者も、先生方も、みんなが幸せになれるのではないか?この町の教育に惹かれて、移住したいと思える人たちも増えるのではないか?

そんな安平町ならではの新しい教育のあり方を模索するメンバーの一人として活動しています。

また、個人的には今年度末より「キミ旅」(小中学生が自分で海外の旅を作るチャレンジプログラム)を始められることに非常にワクワクしています。

これは子どもたちがチームを結成し、行き先を自分たちで決め、旅程を考え、資金の調達もクラウドファンディングや子どもマーケット等を工夫して実施し、資金が集まれば夏休みに実際に海外に渡航することができるという、中々ハードな企画です(笑)

でも、ハードだからこそ、リスクを背負うからこそ、このキミ旅プログラムを通して子どもたちは生涯忘れることのない大きな宝物を見つけることができると信じています。

こちらの企画についても、また別の機会にレポートできればと思います。

スクリーンショット 2020-03-21 18.22.29

教育に対する視野が広がってきた今。そして、今後の目標について。

FoundingBaseに入社して、教育に対する様々な関わり方があることを実体験として理解できるようになりました。最前線で子どもと直接対峙する人、子どもの学びやその空間をデザインする人、学校や地域で豊かな学びを提供するための仕組みを作る人など、それぞれの立場でしかできないこと、それぞれに重要な役割があって、関わる大人たちがきちんと意志をもって子どもたちのためにできることを考える。そんな素敵な循環が教育には大切なのだということも見えてきました。

そして今後、僕が活動する立場はどこなのか?

学校か?地域なのか?はたまたそれ以外なのか?

とりあえず今は、目の前のこと。安平町を学校教育と社会教育の両面から支える仕組みをつくり、「教育の町」として成功させるのが目標です。

その先のことは、安平町で走りきってみてから、走りきった先の景色を見てから、あらためて考えたいと思います。

ただ、今後どの立場から教育に関わるとしても、自分が大事にしていることは変わりません。

「この世は生きるに値する」ということを子どもたちに伝えたいのです。

どんな時代に生きていたって、どんな社会になったって、生きている一人ひとりにはちゃんと価値があるはずです。だからこそ、昔の自分と同じように自己肯定感を失っていたり、生きることになかなか希望を見出せない子に対して、「生きるって楽しいんだ!」と思えるようなきっかけ作りをしたいと思っています。

実は「この世は生きるに値する」という言葉は、スタジオジブリの宮崎駿監督が作品製作を通して伝えたかったメッセージは?と質問されて語ったセリフです。

宮崎駿監督が映画を通して子どもたちにそのメッセージを投げ続けたように、僕がその姿勢を体現し、教育を通してそんなメッセージを投げ続けられる人でありたいと思います。


画像3

FoundingBase Bookはこちら

画像4


29
「自由」をUpdateする というMISSIONのもと、地方を軸に事業展開している地方共創ベンチャー企業です。

こちらでもピックアップされています

Member
Member
  • 22本

FoundingBaseで働く仲間を紹介します。