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English Survival Camp2020 開催報告!

 
こんにちは!町営塾kii+です!


町営塾kii+は、岡山県のど真ん中に位置する吉備中央町に2016年7月に設立されました。町内に1つだけある中学校の生徒を対象に月曜日〜金曜日まで開塾しており、現在は、約90名の生徒が在籍しています。

Foundingbaseの教育事業におけるコンセプトである、トビラを拓く。

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町営塾kii+では、主に「知のトビラ」と「好奇心のトビラ」を拓くサポートを実施しています。その中から今回は「好奇心のトビラ」事業の1つである、English Survival Campについてご紹介します!

English Survival Campとは?

English Survival Campが初めて実施されたのは、2019年12月。
「英語を1つのツールとしてもっと世界を広げてほしい」という弊社メンバーの熱意から始まったこのプログラム。

着想から実施までの3ヶ月間、kii+スタッフの枠を超えてFoundingBaseの教育チーム全体でコツコツと作り上げていきました。

第1回目のEnglish Survival Campには、総勢12名の生徒が参加をしてくれました。中には、もともと英語が苦手だった生徒も・・・

英語に対するモチベーションが低かった彼らでしたが、
キャンプ中に感じた、
「もっとうまく伝えられるようになりたい」
「意外と知っている単語を繋げたらコミュニケーションが取れて楽しかった」
などの楽しさや悔しさをバネに、中学3年生の生徒を中心に日頃の英語の授業へのモチベーションも高まりました。

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English Survival Campには、大きく3つの要素が含まれています。
「英語」
「サバイバル」
「ミッション」
昨年12月28日に吉備中央町内で開催した、第2回目となるEnglish Survival Campの様子について、上の3つの要素を中心にお伝えします。

いつもと違う角度から触れる

「英語」言語学習で必要となる「読む」「書く」「聞く」「話す」の4つの技能。

日頃kii+や学校で行なっている英語の授業は、
「読むこと」「書くこと」
がメインで行われています。

一方、このイベントでは、
「話すこと」「聞くこと」
この2つを最も大事な要素としておいています。

ある調査によると、中学校に入学してから2年生の夏頃までに、英語に対する苦手意識がぐっと高まっています。
「英語が話せたらかっこいいなー」
「海外旅行に行って知らない世界を見てみたい!」
「外国の文化やスポーツに興味がある」
など、海外に対する意識はあるものの、
目の前におかれた、アルファベットが羅列したプリントに苦戦し、
「嫌い」な印象をうえつけられてしまうのが現状です。

English Survival Campでは、英語を「話すこと」「聞くこと」を通じて、
他者とのやり取りを繰り返し、海外との接点を増やしていきます。

そのため、全てのミッションには、
・仲間と力を合わせる
・英語でコミュニケーションが発生する
といった要素を紐づけるようにしています。

そのことで、「英語を使わざるを得ない環境の中で、伝えたいことを自分なりに表現をしてみる」という状況が自然と発生します。

辞書を片手に、わからない単語や伝えたい単語の意味を調べまくる生徒、
体全体を使ったジェスチャーで自分の感情や言葉を表現している生徒、
相手の言っていることをなんとか理解しようとしている生徒、

など。伝え方や表現方法は多種多様です。
このイベントで、正しい文法の使い方や発音は最重要ではありません。
自分の思ったこと、伝えたいことを、
相手に伝えようとする姿勢、相手の伝えていることを懸命に理解しようとする姿勢が何よりも大事だと思っています。

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非日常をデザインする「サバイバル」

今回のイベントで非日常空間をデザインするにあたっては、町内の方々のご協力なしでは成立しませんでした。まずは、会場について。

今回は、町内で宿と喫茶をされている小森のツキノシタさんの建物をお借りしました。

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ここは、築135年の武家屋敷をリノベーションし、古民家民宿と喫茶店をされている拠点で、田舎ののんびりした雰囲気と美味しいコーヒーを求めて、町内外から多くのお客さんが訪れています。

実はここのオーナーであるつーさんは、これまでに世界50ヶ国以上を旅したバックパッカー。

「吉備中央町で生まれ育った彼らに、もっと広い世界をみてほしい」

つーさんの思いと私たちの思いが重なり合い、今回のコラボが決定しました。

古民家を活かした雰囲気を大事にしつつも、細部までこだわりをもって自分たちの手で改装された会場で、ミッションに取り組むことは、参加した生徒にとって、非日常的な体験でした。
そして、旅人として今回のイベントに携わってくれたキャストの方々も、非日常を作り出す大きな鍵となっています。

今回ご協力いただいたキャストの方は4名。

世界各国を旅した後に、自分たちが本当に住みやすい場所を探し求めて吉備中央町に辿り着いたキャスト、
30歳を目前に死に直面したある出来事をきっかけに、南アメリカへ向かい、そこで出会ったジャングルのシャーマン一家にお世話になりながら、ジャグリングのみで生計を立てていたキャストなど、

様々な経験をされてきたキャストの方がご協力をしてくれました。

kii+の生徒が日頃関わりのある大人は、
学校の先生、kii+のスタッフ、家族がほとんどです。

イベントを通して、日頃関わりのない大人と出会い、
多様な生き方の選択肢があることを知ってほしいと思っています。

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他者と関わる必然性がうまれる「ミッション」

今回のメインミッションは、「キャストの人生録を完成させること」。
キャストの4名が、どういう経緯でこの町に住んでいるのか、人生の中でどんな経験をして、どんな出会いを経てきたのか、次々と出されるミッションをクリアしながら、彼らの人生に触れていきました。

無事キャストの人生録を完成させた暁には、小森のツキノシタから全員脱出することができます。

このメインミッションを達成するためには、
・仲間との協力
・キャストとのコミュニケーション

がとても大事な要素になっていきます。

プログラム内で出されるミッションを1人だけで解くことはできません。
誰かに尋ねること、
仲間と協力しながら謎を解くこと、
時にはチームを超えて情報を交換すること、
を繰り返しながら「脱出」という共通目標にむかって走っていきます。

「人に触れる」経験から得られる学び


今回のEnglish Survival Campで一番印象的だったのは、
現在受験真っ只中の中学3年生の男子生徒でした。

英語が比較的得意な彼は、自分が今まで勉強してきた単語や文法を使って、
キャストの方に積極的に質問を投げかけていました。
何かを伝えたけど、単語がわからない時には、辞書を引いたり、チームメンバーに聞きながらミッションクリアを目指しました。

休み時間になっても、昼食の時間になっても、キャストに対する彼の興味は止まらず(笑)よく会話を聞いてみると、人生録をうめることに直接関係のない質問までなげかけていました。

自分の目の前にいる人が見てきたたくさんの世界、その世界を自分は見たことがありません。

キャストがその国で感じたこと、見た景色について、話を聞きながら、
様々な想像を膨らませていたのかもしれません。

全てのミッションが終了したのちには、
英語が話せるkii+スタッフをつかまえて、人種問題や新型コロナウイルスの海外の対応についてなど質問をしていました。

写真⑦

コミュニケーションツールの1つである英語。
彼は、ミッションをクリアする過程の中で、英語で「話す」こと、英語で「聞く」ことを1つ1つ重ねながら、キャストの人生に触れていました。

もちろん全部を聞き取ることはできません。
全て伝えたいことを話せたわけでもありません。
しかし、
「この人のことを知りたい!」
「この人に自分の気持ちを伝えたい!」

そんな小さな思いが、英語学習に向かう小さな種になるのではないかと思います。

吉備中央町で開催していたEnglish Survival Campですが、
2月初旬には、FoundingBaseの拠点の1つ、豊後高田市で小学生向けに開催します!
対象者の年齢や実施地域の特色をコンテンツに活かしながら、「人に触れる」プログラムを今後も実施していきます!

(寺久保)


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