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2018.07.23

「あなたはどう生きるの?」〜後編〜

岡山県吉備中央町の町営塾kii+(キイト)スタッフの 前嶋英里です!

 

外部講師の阿曽沼陽登(あそぬまきよと)さん(以下きよとさん)をお迎えして行った、「正しさのない生き方を引き受ける」をテーマとした探究授業の後編をお届けします。

 

 


生き方に正しい選択は無いことを学ぶ。

授業が始まると、きよとさんの「面白い都会のおにーちゃん」な雰囲気に生徒たちは興味津々。まず生徒たちに配られたのは、魚のカードでした。このカードには「結婚する」「大学に入学する」などのライフイベントから、「ボクシングで日本一になる」「駅前の漬物屋さんで働く」「イタリアで修行」といった、少しユーモアのあるものまで、様々な人生イベントが書かれています。

 

このカードを使って「きよとの生き方クイズ」を行いました。このクイズのやり方は非常にシンプル。「きよとくんは、今日までどんな人生を歩んできたのでしょう。」と生徒に問いかけ、きよとさんの人生年表を作ってもらうゲームです。このクイズのヒントは「この春に慶應義塾大学を卒業した」「14歳のときにみんなと同じように岡山県で中学生活を送っていた」の2点のみ。

 

皆さんはこの二つのヒントから、きよとさんがどのような生き方をされてきたと想像しますか?

 

この答えを出す過程で、生徒の価値観の中にある「思い込み」があぶり出されます。例えば、「この春大学卒業したってことは、今22歳・・・?」「有名な大学だから、めっちゃいい会社で働いているんだろうなー!」など。これらには「思い込み」が含まれています。

 

私たちが想定した通り、「22歳くらいじゃろー!」「頭いい大学だから起業とかしてそう」などの声がちらほら。そのような声の中に紛れて、「ウケ狙って3回浪人した人生にしとこー!」とか「留年2回してたらやばいよねー」などの声も。「ありえないだろう」と思いながらあえてウケを狙うために敢えて、少し特殊なカードを選んでいる生徒もいました。

 

そして「きよとの生き方」の答え合わせ。同じ岡山という地から自分が今まで出会ったことのない生き方をしている人間がいることに、生徒たちは、何を思ったのでしょうか。

 

答え合わせが終わった後、きよとさんは、自らが歩んで来た人生について生徒たちにこう語りました。

 

「ぼくの人生は本当にいろいろあった。でも、自分の人生は自分のものでしかない。だからいろいろあったことをまるごと引き受けて生きたい。生き方を選ぶことは、学校のテストとは違うから。絶対的に正しい選択肢はないよね。だから目の前にある選択肢を疑うこともできるし、なんなら新たに選択肢を生み出すこともできる。」

 

 


「あなたはこれからどう生きるの?」

最後に、生徒が考える番。

「君たちはこれからどうやって生きていく?」「20歳の時はなにをしていたい?」と、問いかけます。

 

ほとんどの生徒は手が止まります。大切なのはこれらの答えがすぐに出てくることではありません。生徒たちのなかには、きっと漠然とし自分の未来に不安でいっぱいな生徒もたくさんいると思います。社会はどうなっていくかわかりません。自分が就きたいと思っていた仕事が消えてしまうかもしれません。だからこそ、一番大切なのは「自分はこう生きたい」という思いを持っているかどうか。もしくは、「自分はどう生きたいの?」という問いを抱えながら生きていくのかどうか。

 

吉備中央町の中学生にとって、きよとさんとの出逢いは「非日常」なのかもしれません。でも、この授業後の生徒たちの口から出た言葉は「私はきよとさんみたいに生きられない。」「きよとさんの話を聞いて、これから自分がどう生きていくのかわからなくなった。」私は、この言葉にすごくすごく感動しました。生徒たちは、きよとさんの生き方を「他人事」としてではなく、しっかり、「ジブンゴト」として受け取っていました。生徒たちがきよとさんに触れて感じた想いを、しっかり私たちkii+スタッフが「日常」へと繋げて行こうと思います。

 

「これからもっと一緒に将来について悩もう、もっと悩んで自分なりに答えを出して、自分にしか生きられない人生を生きていって欲しい」と伝え続けたいです。

 

最後に、私の話になりますが、スタッフで振り返りをしたときにきよとさんがおっしゃった言葉が、心に強く残っています。

 

「物理的距離は遠くても、自分と同じように頑張っている人が世の中にいたら、僕も頑張ろうって思えるんですよね。」

 

熱い想いを体現しながら、遠くで戦い続けているきよとさんの存在を思い出しながら、私も吉備中央で目の前の子供たちと全力で向き合っていきます。

今後もkii+(キイト)では、人間の生き方や価値観にに触れる探究授業を行なっていきます!

 

 

(文・前嶋 英里

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