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2018.04.29

清流四万十川の『鯉のぼりの川渡し』のお話。

僕が今お世話になっているのは、海も山も川もある高知県四万十町。

 

人生初の一人暮らしはまあまあ快適だが、全国どこでも同じような造りのアパートにずっといるのは何か嫌だ。せっかく住んでいるのだからここでしか出来ないことをしたいなとうずうずしていた矢先。役場でお世話をしてくれている方が、「鯉のぼりの川渡し」なるものに誘ってくれた。その時点では詳細はよく分からなかったが、作り手側の一員として地域の方々と関わることを好む僕にとってはありがたいお誘いで、二つ返事で参加を決めた。

 

週末のある日。鯉のぼりの川渡し発祥の地・十川地区に赴いた。僕は山手側から鯉のぼりを渡していくグループへ。車がすれ違えないくらいの林道を10分ほど登ると、約20名の地元の強者が既に作業に勤しんでいた。初見の僕にもすぐに役割をくれ、一員として活動させてくれた。他愛もない話をしながらも手際良くロープを張っていく様、順番やスポットを一瞬で判断して鯉のぼりを次々と渡していく様は圧巻で、カッコよさを感じた。今はドローンで最初のロープを渡しているが(それもまた面白い!)、以前は船でロープを渡し、それをもって山を登ったというのだから驚きだ。

 

やり始めたきっかけが気になった僕は、「鯉のぼりの生産地なんかなー。」なんて思いながら、由来を尋ねた。その由来がまたカッコよかった。 

 

「家で鯉のぼりをあげてくれんなったー。」というソフトボール少年たちの声を聞いた少年団のおんちゃんたちが、「それやったら、まとめて川であげちゃうけん。」と渡したのが始まりだそうだ。素敵すぎないか?少年たちの小さな不満をしっかりと受け止め、子供たちのために自分たちができることを考える。そして、自らの手を動かして、実現していく。「発祥の地」ということは、前例がないということ。また、考えを実現するのは容易ではない。それでも面倒くさがらず、試行錯誤を重ねたのだろう。それが45年経った今、こうして地域の文化として根付いている。風雨による劣化で鯉のぼり不足が危ぶまれた時もあったそうだが、そんな時はそのストーリーに共感してか、全国から鯉のぼりの寄付が集まったとか。うん、かっこいい。

 

十川地区の風物詩、清流四万十川を渡る500匹の鯉のぼり。ふらっと訪れて眺めるだけでも十分楽しめるだろう。でも、その裏側にある作り手たちのストーリーに思いを馳せられると、より一層楽しめる。

 

「町営塾」のスタッフが、「町」を知らないのは残念過ぎる。川遊びも楽しくなる季節だ。これからも機会を見つけて四万十町にどんどん飛び込んでいきたい。

 

 

(文:四万十町営塾「じゆうく。」スタッフ 早川大輝)

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